研究課題/領域番号 |
23243079
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋田 喜代美 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00242107)
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研究分担者 |
小田 豊 聖徳大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50024998)
無藤 隆 白梅学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40111562)
芦田 宏 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (20222606)
鈴木 正敏 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (90273820)
門田 理世 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (10352197)
中坪 史典 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10259715)
野口 隆子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (30383334)
箕輪 潤子 川村学園女子大学, 教育学部, 准教授 (00458663)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 保育の質 / 保幼小 / 教育学 / 教育系心理学 / 保育環境 |
研究実績の概要 |
本年度は大きく3点のことを実施した。第1には、縦断研究のデータ収集である。5地域合計で5歳児140名、小学校1年生595名、小学校2年生443名 合計1178名の子どもたちに関して縦断研究データを収集した。これによって第1コホートに関しては、4歳から4年間のデータの収集が終了し、第2コホートに関してはあと1年のデータ収集となっている。 第2には、既に収集済みのデータをもとに分析を行い、途中経過結果ではあるが国内外4学会において、言語発達、科学課題、協働・自己調整課題それぞれに関しての発達過程に関する報告を行った。それによって明らかになっているのは、言語(語彙)に関しては4歳時点では差が見られそれが小学校1年段階まで影響を及ぼしている可能性、また月令や5歳時点での語彙力と共に保育の質が小学校1年の語彙発達を予測する結果が見られた。また科学的思考に関しては、現在まだ特定の地域のみの分析であるが、4歳から5歳になると植物を育てる経験、そして5歳から小1にかけては植物を植えて育てる経験が回答の変化をもたらしているとの仮説を導出するデータが得られ園間での違いが見られている。また協働・自己調整能力に関しては、4歳から5際にかけての特定園のサンプリングでのビデオ分析から、特定の課題での方略選択が効率的になり、また見通しを持った分業や共同注視の増大、他者への懸念を示す言葉かけなどの協働性の発達的変化や明確な自己主張、試行錯誤、受諾や気持ちの切り替えの早さなど自己調整能力の高い子どもの特性を明らかにするとともに、この協働性や自己調整能力が学年にともない増加する園とそうでない園がみられることも明らかにした。 第3には、保育の質を支える保育環境に関してPEMQ(Photo Evaluation Method of Quality)の開発を行い、研修を通して事例収集を行いその事例集編集に当たった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究のメインである縦断研究に関しては予定された5地区すべてで着実のデータ収集を行い、4歳から小学校1年までの1部分に関しては既に学会等で発表を行うことが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度ではじめて全体のデータセットがそろうので、2つのコホート群、年齢、園間の保育の質との関連性を分析検討していく予定である。また保育の質に関して今回開発し実際に使用した尺度の有効性も検討する。そして研究の総括を行う予定である。
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