研究課題/領域番号 |
23243081
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松田 武雄 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90175604)
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研究分担者 |
牧野 篤 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20252207)
宮崎 隆志 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10190761)
大串 隆吉 首都大学東京, 都市教養学部, 名誉教授 (70086932)
藤村 好美 群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (50372694)
上野 景三 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (30193824)
石井山 竜平 東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30304702)
李 正連 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60447810)
太田 美幸 立教大学, 文学部, 准教授 (20452542)
内田 純一 高知大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80380301)
河野 明日香 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10534026)
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キーワード | 社会教育福祉 / コミュニティ / 社会教育 / 生涯教育 / ソーシャル・キャピタル |
研究概要 |
平成23年度は、本来であれば、基盤研究(B)「社会教育・生涯学習の再編とソーシャル・キャピタルに関する実証的研究」の最終年度であったが、本研究課題が基盤研究(A)として採択されたため、本研究課題の初年度となった。従って、研究は、両方の研究課題を並行して行うという仕方をとった。両研究課題は密接に関連しており、研究分担者も多くは重なっているため、問題なく進めることができた。 前者の基盤研究(B)については、最後のまとめの年度にあたるため、それまでの調査結果に基づいて、その成果を単行本にまとめることを中心に検討を進めた。最終的には、松田武雄編著『社会教育・生涯学習の再編とソーシャル・キャピタル』(大学教育出版、2012年3月)として刊行した。 後者の基盤研究(A)については、最初の年度にあたるため、まず7月に全員が集まり、研究代表者が研究の目的、内容、方法等について提案し協議した上で、研究代表者および研究分担者が23年度における調査計画について報告し討論した。その調査計画に基づいて、それぞれが調査を行い、2012年1月に調査結果の検討会を開催した。ここでは、主としてスウェーデン、アメリカ、アイルランド、ウズベキスタン、カンボジアの調査報告がなされ、検討を行った。スウェーデンについては、Social Pedagogikの領域が教育と福祉が融合した学問・実践領域になっている点に着目して調査を行った。アメリカについては、シアトル公共図書館における福祉サービスが充実しているということで、日を改め、3月に研究会を開催し、時間をかけて報告をしてもらい討論した。 日本については、特に長野県松本市における地区公民館と地区福祉ひろばが連携した社会教育福祉の活動が活発に取り組まれており、丹念に調査を行って調査報告書を発行した。また、東日本大震災後の地域復興についても調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基盤研究(B)「社会教育・生涯学習の再編とソーシャル・キャピタルに関する実証的研究」の最終年度であったが、「コミュニティ・ガバナンスと社会教育福祉システム構築に関する欧米とアジアの比較研究」が基盤研究(A)として採択されたため、本研究課題の初年度となった。従って、研究は、両方の研究課題を並行して行うという仕方をとった。両研究課題は密接に関連しており、研究分担者も多くは重なっているため、問題なく進めることができた。 前者の基盤研究(B)については、最後のまとめの年度にあたるため、それまでの調査結果に基づいて、その成果を単行本にまとめることを中心に検討を進めた。最終的には、計画通り、松田武雄編著『社会教育・生涯学習の再編とソーシャル・キャピタル』(大学教育出版、2012年3月)として刊行することができた。 後者の基盤研究(A)については、最初の年度にあたるため、まず研究の目的、内容、方法等について全員が共有した上で、研究代表者および研究分担者が23年度における調査計画に基づいて最初の調査を実施した。一部、調査が実施できなかった国や地域があったが、概ね計画通りに調査を実施することができた。その調査結果については検討会を開催した。特にアメリカについては、シアトル公共図書館における充実した福祉サービスという新たな発見があったため、時間をかけて報告をしてもらい討論した。 日本については、当初から、長野県松本市における地区公民館と地区福祉ひろばが連携した社会教育福祉の活動に着目しており、丹念に調査を行って調査報告書を発行することができた。また、当初の計画にはなかったが、東日本大震災後の地域復興についても調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、前年度の調査に基づいて、それぞれの国や地域における社会教育福祉とコミュニティ・ガバナンスに関わる典型的と思われる事例をしぼり、視点を明確化し焦点化した調査を実施した。特に11月には、「スウェーデンの社会教育学と日独米の比較研究」に関する国際会議を名古屋大学で開催し、社会教育福祉に関する4カ国の比較研究を行った。国際会議の内容については、報告と討論を合わせて報告書として刊行した。また、25年度には、4月に「フィンランドの社会教育学と日韓の比較研究」に関する国際会議を名古屋大学で開催する予定である。 この国際会議の報告と討論およびこの間の各自の調査報告をまとめて、7月に報告集を刊行する予定である。 さらに、10月には、ドイツのマインツにおいて、ドイツ、スウェーデン、フィンランド、アメリカ、日本、韓国、中国、ウズベキスタンという欧米とアジアの8カ国にわたる社会教育学(社会教育福祉)の理論に関する比較研究の国際会議を計画している。この会議は、2年間にわたる調査研究の中間総括を行うとともに、欧米とアジアの比較研究を行うという新しい試みである。この会議の報告と討論の内容については、2014年3月に報告集を刊行する予定である。 最終年度には、2回の国際会議を踏まえ、研究代表者および研究分担者の調査研究を比較検討して総括的な議論を行い、単行本を出版する。その内容は、メンバーの論文とともに国際会議で報告していただいた海外の研究者にも寄稿していただき、全体を総括するという、かなり大部の図書になる計画である。 この単行本において、海外の社会教育学(社会教育福祉)の理論と実践の比較研究を踏まえ、日本に適合した新たな社会教育福祉システムの構築に関する政策提言を行う予定である。
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