研究課題/領域番号 |
23244005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤原 耕二 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60229078)
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研究分担者 |
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90235507)
芥川 一雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80192920)
小澤 登高 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (60323466)
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キーワード | simplicial volume / hyperbolic manifold / random groups / cat (0) cube complex / Alexandrov spaces / quasi-homomorphisms / p-harmonic map |
研究概要 |
交付申請書で述べたように、本年度は、分担者の小澤登高が京大数理研の年間プロジェクト「作用素環論」において、国際研究集会を組織し大きな成功を収めた。また、代表者と小澤がフランスのポアンカレ研究所における作用素環に関するプログラムに参加し、関連する研究者との研究討論をした。これらは、研究成果の発信、研究交流、情報交換という点で大変重要で意義深い。 取り組んだ研究テーマとして、代表者はBestvina,Brombergと共同して、群上の擬準同型と擬コサイクルの構成について研究した。具体的には双曲性を持つ群について、ある弱い条件を仮定して、群の擬ツリーへの作用を構成した。さらに、擬ツリーの作用の存在から得られる様々な応用を研究した。多くの成果のうち、顕著なものとして、「非初等的な双曲群、並びに写像類群は、擬ツリーに非有界な等長作用を持つ」、「写像類群の漸近的次元は有限である」、「双曲群は、有限個の擬ツリーの積に擬等長的に埋め込まれる」、「双曲的なグラフで、そのRips複体が決してCAT(0)にならないものがある」、「写像類群の擬ツリーへの作用で、デーンツイストが双曲的な元になるものがある」などがある。これらの成果をもとに、現在はバナッハ空間、とくに一様にコンベックスな空間への擬等長作用の研究に取り組んでいる。 分担者の塩谷はAlexandrov空間の幾何を研究し、スプリッティング、ラプラシアンの第一固有値の挙動について顕著な成果を得た。 分担者の小澤は無限離散群と作用素環論の関係で多くの著しい成果を得ているが、たとえば、weakamenabilityについて顕著な成果を得た。 分担者の芥川は、p-調和写像について著しい成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
京大数理研での年間プロジェクト「作用素環論」は著しい成功を収めた。群の擬準同型についての研究において、代表者は擬コサイクルの構成において極めて新しい知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画について変更の必要はない。24年度は、6月に京大数理研において、幾何学的群論の国際研究集会を開催する。国際的に極めて高いレベルの講演者を予定している。 23年度に得た擬コサイクルについての知見をさらに深めていく。
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