研究課題/領域番号 |
23244011
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
谷口 正信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00116625)
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研究分担者 |
内藤 貫太 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (80304252)
関谷 祐里 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10226665)
松田 眞一 南山大学, 情報理工学部, 教授 (20209555)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 統計数学 / 時系列解析 / 統計的金融工学 / 統計推測 / 因果性検定 / 医学・生物統計 / 遺伝子統計 / 計量経済学 |
研究概要 |
本研究課題「非対称・非線形統計理論と経済・生体科学への応用」について本年度は下記シンポジュームを開催した。(1)「Waseda Statistical Symposium on Time Series and Related Topics」於 早稲田大学、開催責任者:谷口正信、小方浩明(2)「統計推測理論の展開と諸モデルへの応用」於 釧路市生涯学習センター、開催責任者:関谷祐里、種市信裕、鈴川晶夫、柿沢佳秀(3)「統計科学における深化と横断的展開」於 松江テルサ、開催責任者:内藤貫太(4)「医学統計と数理の接点を探る」於 南山大学 開催責任者:松田真一、木村美善、神保雅一、西山毅 各シンポジュームでは、国内、国外の研究者、若手研究者の先端的な研究成果が発表された。具体的には、非正規非線形時系列モデルに対する推測論、検定論、経験尤度法、判別解析、セミパラメトリック推測理論、等である。 金融統計では、ポートフォリオ推測、因果性検定、安定過程に対する経験尤度法、予測理論、ロバストネス、ブートストラップ等で、諸結果を得た。検定統計量の調整による高次の有効性や時系列統計量の縮小化など特徴ある研究も進められた。応用としては医学統計、年金ポートフォリオの因果性変数を使った推測や予測許容性など、ユニークな成果も得た。 シンポジュームでは、研究者相互の研究交流、共同研究論文への発展、若手研究者育成も、進められた。発表の詳細は http://www.taniguchi.sci.waseda.ac.jp/kakenhoukoku2011.htmlに置いた。研究代表者の近傍だけでも、時系列解析に基づいた金融工学やポートフォリオ推測の特集号を発刊しており、全体として、膨大な研究進展を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国内の該当分野の研究者はいうに及ばず、国外の先端的研究者達とも、交流、そのうえで共同研究への発展も得ている。研究成果も論文、特集号、著書等具体的な形で現れている。研究領域も、統計数学を基礎として、最適推測論の構築により、その応用は金融統計、年金数理、計量経済、遺伝子、医学統計、保険数理等、膨大な領域に広がってきている。 応用分野への統計数学の諸成果の適用は、理論から応用への流れであるが、このことにより、逆に応用されることによって、そこでの知見から逆に、統計数学理論の構築へのモチベーションも得てきている。例えば因果性を考慮した最適ポートフォリオの推測や、金融データの諸特性に基づく、安定過程の基準化ホイットル経験尤度法による推測理論、検定理論、判別理論の構築である。
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今後の研究の推進方策 |
研究の基本推進方策は、これまでの研究推進の外延上にあると思われ変更する必要はないと思われる。また、研究代表者の近傍では、諸成果を、2冊の英文著書にまとめつつあり、研究集会開催、研究者交流、共同研究への展開、これらは、すべてグローバルな視点で推進されつつあり、2冊の英文著書は、これらの具体的な結晶となろう。また、グローバルな成果発表となるので、外国からの大きな反応があるはずで、これが、また更なる研究推進を誘導するものと思われる。 大学院生も、順次育ってきているが、彼らをさらに高度な国際的視点で、育成することにも力を入れたい。
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