研究課題
本年度は、下記4テーマに集中した。(I) 不偏性をはずした時系列推定と因果性の観光統計学への応用(II) 多様な分野における統計科学の教育・理論・応用の新展開(III) バイオ統計学の挑戦と貢献(VI) 漸近十分性、漸近有効性 と セミマルチンゲール(I) に於いては従属標本に対して不偏性をはずし、推定量のよさを平均2乗誤差ではかる議論を展開した。この流れで時系列縮小推定量の提案と、その3次の漸近論が展開された。また近年、観光統計学に注目が集まっているが、本研究では、Granger によって導入された因果性をこの分野に導入した。ただデータが計数値を取るので Box-Cox 変換と多変量時系列モデルの組み合わせで遂行した。(II) に於いては金融,環境,医学,生物、教育等の多様な分野における統計科学の理論,応用研究が進められた。具体的には、自己励起的 intensity を持つ Poisson 過程の推測と犯罪データへの応用。 周波領域における GMM法。Levy 過程の離散時点観測からの推測と保険数理への応用等、種々の展開がなされた。(III) 医学統計の発展も著しい。この流れでは、2変量反応モデル、判別のための多重マーカーの一般化、脳画像データ解析、シークエンスデータ解析、遺伝子間相互作用の探索が行われた。(IV) 漸近十分性と漸近有効性は統計手法や統計量のよさを記述する基礎概念として従前から用いられてきた。対象も、独立標本から従属標本である時系列にまで展開されてきた。近年では、極めて一般的な確率過程モデルであるセミマルチンゲールまで、この流れが発展してきた。この流れでは、高次元モデルへの統計解析や時系列分位点回帰解析、一般化モーメント推定量の高次漸近理論、コピュラ解析、経験尤度法、等多様な研究が展開された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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