研究分担者 |
大谷 光春 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30119656)
長井 英生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70110848)
儀我 美一 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (70144110)
小池 茂昭 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90205295)
三上 敏夫 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70229657)
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研究概要 |
本年度に行った研究実績の主要な部分を箇条書きにする.1.ハミルトン流を移流項とする退化楕円型方程式に対する特異摂動問題について,解の極限問題への一様収束を示した.これにより,この問題に対する確率論的手法を用いない偏微分方程式論に基づく方法を確立した.2・完全非線形2階楕円型方程式に対する固有値問題の研究を生駒典久氏と行い,特に球対称な固有関数の存在,完全性,単純性に関する定理を確立した.3.ハミルトン・ヤコビ方程式に対するノイマン型の境界値問題の解の時間無限大における振舞いの研究を行った.さらに,G.Barles氏,三竹大寿氏と共同でこの研究を進めて,動的ノイマン境界条件下におけるハミルトン・ヤコビ方程式の解の時間無限大での振舞いに対する結果を得た.4。強圧的ではないハミルトン・ヤコビ方程式について、その時間無限大での漸近挙動が強圧的な場合と異なり,ある有効領域の上のみで一定のパターンが得られることを発見し,結晶成長現象を含む形で一般化した.5.不連続な外力項を持つハミルトン・ヤコビ方程式についての粘性解理論を確立した.6.最適制御問題に由来する粘性ハミルトン・ヤコビ方程式のうち,ハミルトニアンが未知関数の勾配に対応する変数に関して優線形増大の場合に解の長時間挙動を研究した.具体的には,粘性ハミルトン・ヤコビ方程式の解が長時間経過後にエルゴード問題と呼ばれる定常問題の解に収束することを証明した.7.無限次元のハミルトン・ヤコビ方程式の解の時間無限大での漸近理論の研究のために,確率最適輸送問題のヴァッサーシュタインの距離に関するある種の連続性を特別な場合に示した.8.O.Ley氏との共同研究において,n次元ユークリッド空間全体における非発散型2階楕円型方程式の粘性解の一意性について,未知関数の勾配に関する増大度が優線形である場合に十分条件を提唱した.
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