研究課題/領域番号 |
23244017
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
俣野 博 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (40126165)
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研究分担者 |
中村 健一 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (40293120)
舟木 直久 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (60112174)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 非線形拡散方程式 / 定性的理論 / 界面運動 / 漸近挙動 / 広がり波面 / 進行波 / 自由境界問題 |
研究実績の概要 |
◎【非局所項をもつ質量保存型方程式の長時間挙動】 非局所的な非線形項をもつ質量保存型微分方程式を考察し,解の長時間挙動を論じた(文献1).この方程式は時間微分と空間積分を含んでおり,積分項の非局所性のため漸近挙動の解析が難しいが,質量保存則やリヤプノフ関数などを巧妙に組み合わせて漸近挙動が解明できた.この問題は,質量保存型Allen-Cahn方程式の特異極限問題と密接な関係があり,本研究の成果が特異極限問題の研究に今後役立つと期待される. ◎【曲線の曲率運動方程式に対する自由境界問題の研究】 上半平面y>0上の駆動項付き曲線短縮流に対する自由境界問題を考えた.曲線の両端点は直線 y=0 の上を一定の接触角を保ちながら動く.本研究では,曲線の挙動が,非有界,有界大域解,有限時間消滅の3種類に分類されることを示すとともに,それぞれの場合について解の挙動を詳しく解析した(文献2).本研究で扱った自由境界問題に対しては,通常の放物型方程式に対する交点数理論が使えないが,「拡張交点数理論」という新しい考え方を導入して解の定性的性質の解明に役立てた. ◎【双曲空間上の非線形拡散方程式における波面の伝播の研究】 n次元双曲空間上の非線形拡散方程式に現れる進行波や波面の広がり現象を研究し,ユークリッド空間の場合と比較することで,空間の幾何学的性質が解の挙動にどのような影響を及ぼすかを調べた(文献3).なお,この研究は平成25年度に行われたが,論文が雑誌に発表されたのは平成27年度である. ◎【穴の開いた壁を通り抜ける進行波の研究】 フランスのH.Berestycki氏らと共同で,穴の開いた壁を通り抜ける進行波の性質を調べた.このテーマは,今後さまざまな方向への発展が期待できるが,本研究ではその第一段階として,壁を通り抜けた後の進行波の挙動を完全に分類することができた(投稿準備中).
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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