研究課題/領域番号 |
23244022
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
嶋作 一大 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00251405)
|
キーワード | 銀河 / 光赤外線観測 |
研究概要 |
本研究は、すばる望遠鏡次世代広視野カメラHyper Suprime-Cam (HSC) に、本補助金で製作する狭帯域フィルター NB387 (中心波長 3870オングストローム) を取り付けて、赤方偏移 z~2 (宇宙年齢30億歳の頃) の軽い銀河の 全体像を明らかにするものである。現在見られる銀河は軽い銀河が集合・合体して成長してきたと考えられてお り、30億歳の頃はそうした成長が最も顕著だったとされる時代である。具体的には、HSCで約30平方度の天域を観測して約10000個の軽い銀河を検出し、それを用いて、数密度、質量、星形成率をはじめとした銀河の性質とその環境依存性などを調べる計画である。 初年度である今年度は、大部分の補助金を平成24年度に繰り越してNB387フィルターを製作した。このフィルターは、バンド幅が狭い上に直径が60cmと大型なので、製作には高い技術を要する。HSCより小型の現行機であるSuprime-Camの狭帯域フィルターのデータを参考にして詳細な光学仕様を決め、日本真空光学株式会社 (競争入札で落札) に発注した。製品は2013年3月に納入された。 並行して、Suprime-Camで取られた z~2 銀河のデータを用いた予備研究を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フィルターの製作を平成24年度に延期したため、フィルターの入手が約1年遅れた。延期した理由は、大型フィルターの製造技術の改善を待っていたためである。改善された技術を用いることにより、直径60cmという広い視野全体に渡って、当初の予定より一様な光学特性を得ることができた。なお、フィルターの製作の遅れは、研究の遂行に影響は与えない。
|
今後の研究の推進方策 |
Hyper Suprime-Cam (HSC) による観測は2014年から始める予定である。観測は、多数のフィルターを用いた大型サーベイの一部として行なわれるので、そのサーベイ関係者で議論して、NB387フィルターの観測天域、積分時間、観測スケジュール等を決定する。並行して、Suprime-Camのデータを用いた予備的研究も継続し、HSCでの観測計画の立案に反映させる。
|