研究課題/領域番号 |
23244031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
谷口 義明 愛媛大学, 宇宙進化研究センター, 教授 (40192637)
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キーワード | 銀河形成 / 銀河進化 / 観測的宇宙論 / 宇宙再電離 |
研究概要 |
ULTRA-VISTAプロジェクトはVISTA望遠鏡(VISTA=Visible and Infrared Survey Telescope for Astronomy)は口径4mのサーベイ専用の望遠鏡であり、European Southern ObservatoryのVLT(=Very Large Telescope)のサイトに隣接して建設された(所在地=チリ共和国)。この望遠鏡には1°×1.5°の広視野を誇る近赤外線カメラが搭載されている。我々はハッブル宇宙望遠鏡のトレジャリー・プログラムで観測されたCOSMOS(=Cosmic Evolution Survey:宇宙進化サーベイ)の天域を、2009年から以下の帯域で撮像サーベイ観測を行ってきている:Y、J、H、及びKsの4つの広帯域フィルターとNB1185の狭帯域フィルターによる撮像。 このプロジェクトでは高赤方偏移宇宙(赤方偏移z~7-10)の銀河探査を行い、銀河形成の初期段階の系統的な研究を行っている。これらの初期銀河には第二世代星と近い性質(重元素量が極端に少ない)を持つ星々が含まれていると考えられている。高赤方偏移宇宙(赤方偏移z<10)では、宇宙空間が完全電離されていることがわかっているが(宇宙再電離と呼ばれる現象)、本研究で得られる銀河サンプルによる宇宙再電離の物理過程を探求している。平成23年度はULTRA-VISTAプロジェクトの初期データを国際的に公開することができた。これはプロジェクトの進展にとって欠かせないプロセスであり、実際に多くの関連研究者らから賞賛していただくことができた。 その後も第2期のデータ公開に向けて、観測及びデータ解析を続けてきている。また、プロジェクトの初期科学成果として、赤方偏移z=7の銀河の探査を行い、発見にこぎつけた。これはULTRA-VISTAの高感度の赤外線観測で始めて可能になった研究成果であり、プロジェクトは順調に進展してきていることの証拠と言える。この成果公表は平成24年度に行われる予定になっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成23年度はデータ解析にウエイトを置く予定であったが、ULTRA-VISTAプロジェクトの初期データを平成23年度内に国際的に公開することができたことは、大きな進展であった。
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今後の研究の推進方策 |
第2期のデータ公開に向けて、観測及びデータ解析を続けている。また、プロジェクトの初期科学成果として、赤方偏移z=7の銀河の探査を行い、発見にこぎつけた。これはULTRA-VISTAの高感度の赤外線観測で始めて可能になった研究成果であり、この成果公表を平成24年度に行う。
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