原子核の量子多体状態を殻模型、平均場模型から様々に研究した。原子核物理学に直接関わる成果としては、量子色力学から独自の新しい方法を用いて核子間有効相互作用を求め、そこから物理量を求める道筋を開いた。それにより逆転の島のようなエキゾチック原子核の第一原理的な記述を可能にした。第2種殻進化理論を展開し、変形共存現象の理解を進めた。 二重ベータ崩壊の核行列要素を2主殻から成る模型空間の設定で、ニュートリノ質量の決定に向けてこれまでよりも高精度でカルシウム48の場合について計算を行った。光励起スペクトルを計算可能にして、核分裂生成物の核変換に資すべく基礎データを提供できるようにした。
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