研究課題/領域番号 |
23244095
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
村上 正隆 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 室長 (30354484)
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研究分担者 |
橋本 明弘 気象庁気象研究所, 予報研究部, 主任研究官 (20462525)
田尻 拓也 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 研究官 (40414510)
牧 輝弥 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (70345601)
財前 祐二 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (70354496)
斉藤 篤思 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 研究官 (90391234)
荒木 健太郎 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 研究官 (40636031)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | エアロゾルの間接効果 / 雲核 / 氷晶核 / 雲生成チェンバー / 黄砂 / バイオエアロゾル / 人為起源エアロゾル / エアロゾル・雲・降水統一パラメタリゼーション |
研究概要 |
【雲生成チェンバー実験】黄砂粒子・バイオエアロゾル・種々の人為起源エアロゾルを対象とした雲生成チェンバー実験を実施し、その雲核能・氷晶核能を様々な気象条件下で調べた。また、大気中エアロゾルを対象とした同様の実験を行い、自然大気中におけるエアロゾルと各エアロゾル種との雲核能・氷晶核能特性の類似性を比較解析した。さらに、数値感度実験の結果と比較し、エアロゾルの物理化学生物特性の関数としての雲核能・氷晶核能の定式化を試みた。 【エアロゾル地上モニタリング観測】つくばサイトに於いて、各種エアロゾル測定・採取装置、地上用雲核計、地上用氷晶核計を用いて通年観測を実施し、エアロゾルの物理化学生物特性、雲核・氷晶核活性化スペクトルを測定した。観測データを解析し、その季節変化を明らかにした。 【残渣粒子採取・バイオエアロゾル検出分析】CVI(Counterflow Virtual Impactor)を用いてチェンバー実験で生成した雲粒・氷晶を選択的に採集し、それら残渣粒子の物理化学特性を電子顕微鏡観察とEDX分析法(エネルギー分散型分析法)により同定した。また、残渣粒子に含まれる微生物を同定した。 【数値実験】詳細雲微物理モデルを用いて室内実験の結果を再現し、対象エアロゾル粒子の雲核能・氷晶核能の定式化を試みた。その結果を用いて非静力学モデルなどに用いるエアロゾル・雲・降水を統一的に取扱う新機軸のパラメタリゼーションの構築に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24度はほぼ計画通り、黄砂粒子・バイオエアロゾル・種々の人為起源エアロゾルを対象とした雲生成チェンバー実験、各種エアロゾル測定・採取装置、地上用雲核計、地上用氷晶核計を用いたエアロゾルの物理化学生物特性及び雲核・氷晶核活性化スペクトルの通年観測、チェンバー実験で生成した雲粒・氷晶をCVIで選択的に採集した残渣粒子の電子顕微鏡観察とEDX分析を実施した。また、対象エアロゾル粒子の雲核能・氷晶核能の定式化とそれを組み込んだエアロゾル・雲・降水を統一的に取扱うパラメタリゼーションの構築にも着手した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に引き続き、雲生成チェンバー実験、エアロゾル地上モニタリング観測、残渣粒子・微生物生態分析、モデリングを有機的に結合させ効率的な研究推進を図る。研究参画者間の連絡体制と情報共有を保持し、年4回程度の打合せを通じて進度を把握する。3年間の成果の取りまとめを行う。
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