研究課題
最終年度として研究のまとめ、論文公表を実施した。コアに観察されるすべての断裂について、すべりのデータをまとめ、逆解法によって、断裂形成時の応力場の推定を行った。その結果、4つの応力場が検出された。それらは2つにグループ化され、古いものは南北圧縮、南北伸張、新しいものは東西圧縮と東西伸張であった。前者は、これまでの地上露頭の研究で検出されていた南北方向のすべりと一致する。また新しいものは東西すべりの観察と一致する。それぞれのグループは、最大と最小の主応力の入れ替えで説明ができ、それは延岡衝上断層に沿っての地震性すべりと後の応力解放に伴う伸張場の成立であった可能性がある(論文まとめ中)。すべり面には光沢が顕著であり、分析の結果炭素の濃集が顕著であることが判明した。炭素の濃集は、すべりに対し潤滑作用があるとの最近の実験結果と調和的である(論文まとめ中)。また掘削孔、コア試料の物性の解析より、断層からの距離に依存したダメージの程度が電気伝導度と間隙率の相関で定量的に捉えられる可能性のあることが明らかとなった(国際誌に公開済み:Hamahashi et al., 2015)。断層ガウジでは、イライト結晶度が下がっており、地震性すべりによる温度上昇から期待されることと逆の相関があることも明らかとなった。これは、粘土鉱物系の粉砕によって起こっていることも示唆された(国際誌に公開済み:Fukuchi et al., 2015)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (42件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)
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