沈み込み帯の化石分岐断層である延岡衝上断層について断層破砕帯を含めて、掘削を実施、断層試料の分析と孔内検層を実施した。目的は地震発生を伴う断層メカニズムの解明と断層帯の形成進化過程の解明である。 結果、断層のガウジ起源のカタクレーサイトを中心として、弾性波速度、間隙率、比抵抗などにおいて系統的変化のあることが明らかとなった。 また、微小断層、クラックの分布から求めた断層すべりの応力場は、地震性すべり前後で応力の変化することを示唆した。地震発生前後のマクロスケールから微小スケールに至るメカニズムと物性・状態変化が断層そのものから明瞭に示唆される結果を得た。
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