多体量子動力学の基礎理論を完成させた.本理論では,動力学を表現する位相流をラグランジュ描像で表現し,量子位相を含めた波動関数の値に関する「保存則」を導いた後,さらに量子拡散項による特異点の解消という手続きで,波動関数の時間発展が記述する.特に,量子振幅項から現れる新たな位相項が明示的な形で得られ,それから新たな量子効果を見出した.これにより,今まで不可能であった多次元計算が実際にできるようになった.さらに,量子波動関数の振幅項に含まれる一種の力学構造が存在すること,振幅項から新たな量子位相が現れること,を見出し,多体量子動力学の研究を深化させた.理論の数値的検証と応用を行った.
|