原子分子クラスターを構成要素とする結晶など、組織的な構造を持つクラスター集積体の創製を狙いとして、気相金属クラスターの液相への注入法の開発と液相を構成する溶媒分子との反応研究を行った。具体的には、(1)金属クラスターを溶媒分子クラスターで捕獲する実験装置の開発、(2)真空中の液滴発生・捕捉法の開発、(3)溶媒性分子雰囲気下での反応研究に取り組んだ。主な成果として、金、銀、アルミニウムのクラスターの溶媒和構造形成や錯合体形成において特徴的な反応過程を見出した。さらに、真空中の液滴の蒸発冷却過程を時間を追って観察し、液相から固相への相転移現象の解析に成功した。
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