研究課題
本年度では、前年度に引き続き、酸化鉄やCaFe2O4のナノシートの合成と酸化グラフェンの層間におけるp型CaFe2O4やn型Fe2O3の微粒子の作製を主眼に研究を行った。前者については、DSイオンを含む溶液にFeイオンとCaイオンを混合させてpHを上昇させ、層状体を得た。この時の温度は60~80℃に設定した。その層状体の層間距離は、DS自身が持つ層間距離より大きく層間にFeとCaの両方が存在することがわかった。EPMAの結果から、最初の仕込み量よりも大幅にCaの量が少なく、このためCaの仕込み量を多くすることで、CaFe2O4に近い組成とした。さらに、類似する層状体としてCaに代えてBa-Feの層状体を同様の方法で得た。このようにして作製したCa-FeやBa-Fe酸化物層状体の光電気化学特性を評価した。このときの各電極は、各サンプルの分散液を泳動電着により得た。その結果、残念ながら光電流はほとんど観察されなかった。光電流が見られないのは、これらが光触媒として働かないことを意味している。次に、FeイオンとCaイオンを目的の組成になるように酸化グラフェンと混合し、それを種々の温度で熱処理した。まず、GO分散液にFeとCaイオンを目的の組成になるように加えて、これらが吸着するか検討した。その結果、これらのイオンの濃度が低い場合には全てがGOに吸着した。同時に、GOの沈殿も観察された。このことは、GO層間にFeとCaの両者がインターカレーションしたことを意味している。このようにして作製したGO-Fe-Ca混合体を焼成してGO-CaFe2O4混合体の合成を試みた。しかしながら、500℃以下ではCaFe2O4は生成せず、800℃以上の温度でCaFe2O4の生成を確認した。しかしながらp/n接合光触媒生成までには至らなかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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