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2011 年度 実績報告書

固体中を伝導する高価数イオンに関する先駆的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23245043
研究機関大阪大学

研究代表者

今中 信人  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30192503)

研究分担者 田村 真治  大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80379122)
キーワード固体電解質 / 高価数カチオン / 3価イオン / 4価イオン / ビスマス / ハフニウム / ナシコン型構造
研究概要

本研究では、固体中における高価数(3価および4価)カチオン伝導を与える要因を解明することを主目的とし、様々な高価数カチオン伝導体の開発に取り組んだ。平成23年度は、3価イオン伝導体として、Bi^<3+>イオン伝導体の開発を、4価イオン伝導体としてはHf^<4+>イオン伝導体の開発を行った。
Bi^<3+>イオン伝導体では、過去に(Bi_<0.05>Zr_<0.95>)_<4/3.95>Ta(PO_4)_3の開発に成功していたが、結晶構造が歪みのあるβ-硫酸鉄型構造であったことから、P^<5+>イオンサイトを、よりイオン半径の大きいSi^<4+>イオンで部分置換することで歪みの少ないナシコン型構造を取る(Bi_<0.05>Zr_<0.95>)_<(4+y)/3.95>TaP_<3-y>Si_yO_<12>の開発に成功した。イオン半径の大きなSi^<4+>イオンを導入することで格子歪みが緩和できたことに加え、イオンの伝導経路も拡大した結果、(Bi_<0.05>Zr_<0.95>)_<4/3.95>Ta(PO_4)_3と比較してBi^<3+>イオン導電率が約3.6倍向上した
一方、Hf^<4+>イオン伝導体においては、HfNb(PO_4)_3が4価のHf^<4+>イオン伝導体であることを実証しており、本材料を用いて、Hf^<4+>イオン伝導性と結晶格子サイズおよび構成イオン濃度との相関を明らかにすることを試みた。高価数のW^<6+>イオンを、HfNb(PO_4)_3のP^<5+>イオンサイトおよびNb^<5+>イオンサイトの両方を部分置換させたHf_<1-x/4>(Nb_<1-y>W_y)_<5/(5+y)>P_<3-x>W_xO_<12>を合成し、そのイオン伝導性を評価した結果、格子体積が同じであれば、W^<6+>濃度が高いほどHf^<4+>イオン伝導性が向上し、さらに最適な格子サイズが存在することも明らかになった。また、一連のHf_<1-x/4>(Nb_<1-y>W_y)_<5/(5+y)>P_<3-x>W_xO_<12>の中では、Hf_<3.85/4>(Nb_<0.8>W_<0.2>)_<5/(5.2)>P_<2.85>W_<0.15>O_<12>が最大の導電率を示すことが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題は、平成23年度の追加配分で採択された課題であり、研究開始が平成23年11月下旬となったことから、十分な研究期間が確保できなかったためである。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、平成23年度で達成できなかった「新規な結晶構造の探索」および「固体中を伝導できる新規な高価数イオンの探索」に加え、実用領域の高いイオン伝導性を示す4価イオン伝導体の開発を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] アルミニウムイオン伝導体を用いた低温作動型炭酸ガスセンサ2012

    • 著者名/発表者名
      永井つかさ, 田村真治, 今中信人
    • 学会等名
      電気化学会第79回大会
    • 発表場所
      アクトシティ浜松
    • 年月日
      2012-03-31
  • [学会発表] 4価のハフニウムイオンを伝導種とする固体電解質2012

    • 著者名/発表者名
      布谷直義, 田村真治, 今中信人
    • 学会等名
      電気化学会第79回大会
    • 発表場所
      アクトシティ浜松
    • 年月日
      2012-03-30
  • [学会発表] ストロンチウムイオンを伝導種とする固体電解質2012

    • 著者名/発表者名
      岡田吉浩, 田村真治, 今中信人
    • 学会等名
      電気化学会第79回大会
    • 発表場所
      アクトシティ浜松
    • 年月日
      2012-03-30

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公開日: 2013-06-26  

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