研究課題
つくばの強磁場共用ステーションに設置されている930MHz超高磁場NMR装置は、依然として、クエンチしたままであったので、前年と同様に、岡崎の分子科学研究所の920MHz超高磁場NMR装置をお借りして、超高速固体NMRマイクロプローブを取り付けて測定を行った。クモ牽引糸の結晶部モデル(Ala)6(逆平行βシート構造)について、適宜、同位体ラベル化を行うとともに、1H DQMAS NMRを用いることによって、各残基毎のすべての1H固体ピークの帰属を行うことができた。また、高温加熱によって、その分子間構造が大きく変わることも観察できた。しかしながら、分子間構造までを決定する十分な分子間構造の相関ピークは観測されなかった。一方、本解析法を、これまで成功してきた家蚕絹の繊維化前の構造決定にならって、家蚕絹繊維化後の構造決定に用いた。特に、分子間構造の決定が重要であるので本解析法は極めて有効であり、最終的に家蚕絹の繊維化後の構造を原子座標レベルで詳細に決定することができた。これまで、その構造に関しては、約半世紀の間、Marshらの提案された構造が受け入れられ、生化学の教科書には必ずと言ってよいほど引用されてきたが、その構造は間違っていること本固体NMRの結果に基づいて明らかにした。このように本解析法を用いて新たな家蚕絹繊構造を提案できたことは重要であり、本解析法のポテンシャルを証明することとなった。これらの家蚕の繊維化前後の構造は、アメリカ化学会誌Macromoleculesの最新号(2015年4月28日)の表紙をかざることとなった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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