研究課題
本年度は、イオン液体/高分子からなるソフトマテリアルについて、相溶系と温度変化に伴って相分離する系の研究を中心に推進した。相溶系に関しては、プロトン性イオン液体とスルホン化ポリイミド(SPI)からなる固体高分子膜が、無加湿かつ100℃以上の温度でも作動する燃料電池用の電解質膜になることを報告しているが、本年度はプロトン性イオン液体の構造と燃料電池活性の関係を精査した。その結果、水素/酸素燃料電池の起電力はプロトン性イオン液体を構成する酸と塩基の⊿pKaによって大きく変化し、この値が17-18程度で極大値を与え1.0V以上の起電力となることを示した。また非プロトン性イオン液体とSPIからなる高分子膜がアクチュエータに適用可能であることを報告した。特にこの高分子膜は力学特性が良好なため薄膜化が可能、印刷技術を用いることにより成形可能な高性能なアクチュエータを与えることを示した。さらに、従来から提唱している駆動モデルへの適合性を詳細に調査し、適用可能であることを示した。また温度変化により相分離を伴うイオン液体/高分子系については、低温溶解/高温相分離を示すLCST型相分離のポリベンジルメタクリレート、低温相分離/高温溶解を示すUCST型相分離のポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)について、高エネルギーX線と分子動力学シミュレーション、動的光散乱と小角X線散乱などの手法を用いて相分離過程の分子レベルでの理解を図った。また、LCST型相分離を起こすセグメントと相溶性セグメントからなるABA型ブロック共重合体を精密合成することにより、低温ゾル/高温ゲルを示す系の提示、さらにポリエチレンオキシド修飾したPNIPAmナノゲルを合成することにより、イオン液体/水界面を往復するシャトルシステムの構築に成功した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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