研究課題
シリカや汎用な高分子材料を構成成分とする単分散微粒子からなる屈折率比が1.5程度の乾燥したコロイドアモルファス集合体(シリカや高分子の屈折率が1.5前後で、空気が1.0)は、可視光の全波長領域において非干渉性の散乱の寄与が大きいため、これらのコロイドアモルファス集合体はほんの少し色付いてはいるが全体的に白く、構造発色性の色材とは見なせない。そのため、これまでに同様の系に携わってきた研究者達は、コロイドアモルファス集合体が擬PBGや構造色を示す可能性に気づかなかったのだろう。申請者は、非干渉性の散乱を軽減するために、コロイドアモルファス集合体にカーボンブラック(CB)などの黒色粒子を添加したところ、黒色粒子の添加量に応じて鮮やかな彩度を示す構造色が観測されるようになることを発見した。白い単分散微粒子の粒径や、集合体内の単分散微粒子の体積分率を調節すれば、様々な色を示す材料が作れることも明らかにした。さらに、黒色粒子の添加はコロイド結晶の発色性の向上にも有効に働き、従来のコロイド結晶と比べて、黒色粒子を添加した場合には、実に鮮やかな構造発色を示すことも分かった。これらのコロイド粒子集合体の構造発色の彩度に寄与する黒色粒子の添加効果については、まだ未知な部分が多いため、詳細なメカニズムが分かれば、既存の毒性や耐久性、および、価格が問題視されている顔料に替わる、環境に優しく、安価で、非退色性の顔料が調製でき、様々な分野への応用が可能となるだろう。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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