研究課題
研究代表者である石井グループは、有澤グループと奥村グループとそれぞれ共同研究を行い、それぞれの実験に対応する理論計算(第一原理計算)を行った。奥村グループによるPd/USYゼオライトを空気中で熱処理して調製した触媒の第一原理計算により,金属PdはUSYゼオライトのソーダライトケージのサイトIIに存在することが示された。また、有澤グループによる硫黄修飾金担持型パラジウムナノ粒子触媒(SAPd)の基板の金をグラフェンやBNに変えた場合の理論計算を行い、また、ナノ粒子のパラジウムをニッケルに代えたSANiの第一原理計算を行って、高活性な触媒となることを裏付けることに成功した。奥村グループは、Pd/USY ゼオライトを空気中で熱処理して調製した触媒が、ブロモベンゼン誘導体をもちいた室温・空気中での鈴木カップリング反応に高い活性を示すことを見出した。 反応後では微細な金属Pd とPdO が混在していた。一方、5回繰り返して反応をおこなったのちに空気中で熱処理し、ふたたび反応した試料ではクラスター状のPdO が観察された。したがって履歴によって活性種が異なることがわかった。有澤グループは、昨年に引き続きSAPdの理論計算をする上で必要な情報を収集すべく、硫黄修飾金担持型パラジウムナノ粒子触媒(SAPd)の構造解析結果を基に、基板の金をガラスに変えたSGlPdおよび、ナノ粒子のパラジウムをニッケルに代えたSANiの製造に着手し、高活性な対応する触媒の開発に成功した。さらに、これらについてTEM実験およびSPring-8でのXAFS実験(Pd、Sと空壁の物質)を行った。第一原理計算を用いた解析により、奥村グループのPd/USYゼオライトの触媒と有澤グループのSAPdの触媒で、いくつかの類似点が明らかとなり、今後の触媒開発の指針になる可能性を持つ研究成果となった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件、 謝辞記載あり 13件) 学会発表 (28件) (うち招待講演 5件)
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