研究課題/領域番号 |
23246033
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
齋藤 隆之 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10324328)
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研究分担者 |
梶島 岳夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30185772)
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キーワード | 流体工学 / 計測工学 / 極短パルスレーザー / 光ファイバー / 混相流 / 気泡・液滴 / 数値解析 / 光線追跡 |
研究概要 |
(1)フェムト秒パルスレーザーを購入し、時間分解計測の時間分解能を向上させる手法を開発した。左記により石英分解の過程を捉えた。フェムト秒パルスレーザーの照射強度と石英ファイバー加工との関係を明らかにし、石英ファイバークラッドのナノオーダー加工に必要の要素技術を開発した。 (2)3次元光線追跡シミュレーションコードを開発し、プローブ信号を数値解析した(成果をReview of Scientific Instrumentに投稿した) (3)光ファイバープローブの信号処理方法を開発し、その論文がInternational Journal of Multiphase Flowに掲載された。また、プレシグナルによる気泡計測位置の判定方法を開発し、かつプレシグナルの発生メカニズムを解明した。これらを論文化し、レーザー学会誌に掲載、またMeasurement Science & Technologyに掲載が決定した。このほか、関連論文のFlow Measurement and Instrumentationへの掲載が決定した。 (4)大変形・相変化・高速移動を伴う気泡の挙動を光ファイバーで計測する技術の開発と検証のため、気液界面の運動と光線追跡を結合させた解析手法の確立を目的とした研究を推進した。大阪大学は前者の界面運動の解析を分担し、VOF(Volume of Fluid)法の界面再構成法、局所的なPhase Field法、界面追跡法の導入により、界面形状の幾何学的表現精度を高めるとともに、界面物理、相変化、熱および物質移動のモデルの適用基盤を整備した。 (5)光線追跡解析と気泡界面運動流体解析とをカップリングする方法を考案し、一部の成果を上記(2)において、論文投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1)フェムト秒パルスレーザーを入札により格安に購入し、研究の初年度から石英光ファイバーの加工実験を行うことができた。ナノオーダーで加工する方法を考案できたことにより、平成24年度に計画していた研究の一部を23年度に実施できた。 2)雑音の多い多層屈折率光ファイバープローブの出力信号の処理に有効な信号解析アルゴリズムを考案でき、平成24年度後半以降の研究を前倒しで行うことができた。 3)飛躍的に計算時間を短縮しかつ光線のエネルギー伝達までを数値解析できる3D光線追跡タルゴリズムを考案し、論文化(Review of Scientific Instrumentに投稿。査読中)まで進めることができた。 4)気泡や液滴の界面を高精度に数値解析するアルゴリズムを考案し、かつその基礎コードまでを開発できた。
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今後の研究の推進方策 |
Dフェムト秒レーザーによる空間加工精度と時間分解の精度を高めるために、時間遅延光学系の機械振動を抑制することが必要である。このため、除振台を独自に改造する。 2)フェムト秒レーザーの集光半径を精密に計測する必要がある。CMOSカメラとアクロマットレンズにより集光径を波長程度の分解能で計測する手法を考案したので、これを実験により検証する。 当面は静岡大学では光線追跡法、大阪大学では界面捕獲法の研究を分担するが、3年目以降で計画している両者の統合の準備として、2年目は計算コードを連携させる手法を共同で検討する。
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