研究分担者 |
辻内 伸好 同志社大学, 理工学部, 教授 (60257798)
芝田 京子 高知工科大学, 工学部, 准教授 (00307117)
小池 関也 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (50272670)
長谷 和徳 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (10357775)
武政 龍一 高知大学, 医歯学系, 講師 (20294837)
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研究概要 |
本研究では,これまで研究代表者らが蓄積してきた技術をベースとして,人間の運動に関する新たなウエアラブルなセンサ,それらを組み合わせ信号処理技術を駆使して制約がなく信頼性の高い運動解析技術を開発して,従来は困難であった多くの条件での運動解析を可能にするための基礎的な研究を進めると同時に,運動解析のユーザである医療介護,スポーツ,健康増進などの分野との技術の融合による応用研究を進め,それらの分野の発展に貢献することを目的としている. 初年度である23年度は,以下のように研究を進めた.スポーツ用の床反力センサとしては,一体型ではなく,これまでの形式でロードセルの個数を4個に増やすとともにプレート形状の最適化を図り,従来の歩行用と比べて3倍程度の力に耐えられるものの設計を行った.手袋型センサについては,その構成要素となる感圧ゴムを用いた超小型の3軸力センサを試作するとともに,動作計測のための曲げセンサの基本性能の確認実験を実施し,問題点の抽出を行った.義足内蔵6軸センサについては,最適化を盛り込んだ構造設計を行い,その結果に基づいて実験装置を試作し.それを用いて基本的な実験を行い,立ち上がり訓練機には開発したセンサを応用した.全身の動作計測法に関しては,モーションセンサの構成要素である地磁気センサで3軸の性能がそろっていなくても,それが精度に影響を及ぼさないための新しい校正法を開発することができた.また.逆動力学を用いて歩行中の下肢の関節モーメントを計算する際に用いる被験者の各部の質量の推定法については,統計的データではなく被験者自身の質量を安全に推定する方法を提案し,数値実験により提案法の妥当性の検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多くの実施項目になかで,感圧ゴムと用いたセンサなど項目によっては,多少遅れているものもあるが,義足内蔵6軸反力センサのように予定よりも進んでいるものもあり,研究全体で平均すれば,おおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究目的に沿って,制約のない新しいセンサおよび運動解析技術を充実させることをねらった複数の基礎的な研究を並行して進めつつ,応用分野である医療介護,スポーツ,健康増進の分野との技術の融合をねらった応用研究を進めていく.応用分野との技術の融合を進めるなかでは,そのやりとりのなかで新たなニーズや課題が生じてくる可能性があると考えられる.そのようなニーズや課題のなかには,今後の非常に重要な研究課題に発展する可能性を秘めてものがでてくることも考えられる.そのような場合には,原則的には次ステップでのテーマとして位置づける予定であるが,他国との競争などで緊急性が要求されると判断した場合には,当初から計画している実施項目との優先度などを考慮した上で,可能な範囲で柔軟に対応していく予定である.
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