エレクトロポレーションによる核内への物質導入原理に関して,P垂直壁に設けた数ミクロンの孔に細胞を吸着し,Q-dot を導入することで,基本原理の検討を行った.また,マイクロデバイス上でエレクトロポレーションを行うと同時に電気泳動により外来プラスミドを核に送達する原理に関する研究を行い,そのシステムを開発した.このデバイスと導入原理を用いて,体細胞に4つの山中因子を導入し,細胞の初期化が実現した.この遺伝子直接送達法は,タイミングを正確に制御して即時にかつ目的とする1細胞に対して遺伝子を導入できるという特徴があり,今後の細胞のリプログラミングや分化制御の研究に役立つ物と期待される.
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