研究概要 |
1.変調型誘導熱プラズマSMC-MPによるナノ粒子生成試験 H25年度において原料を熱プラズマの変調に同期して間歇的に投入できるように電子制御し,それにより原料の確実な蒸発をするようにしてTiO2ナノ粒子生成を行った。その結果TiO2ナノ粒子が500 g/h@20 kWで生成できることが判明した。この値は極めて大きい値であり,誘導熱プラズマを用いたナノ粒子の量産化につなげられる可能性がある。生成したTiO2ナノ粒子をFE-SEM, XRD, BETのほか,XPS, 光全反射スペクトルなどの分析を行った。その結果,大量生成できたナノ粒子の平均粒径は60-70 nm程度であり,かつXRDでも原料のTiスペクトルがみられず,TiO2スペクトルのみであり,原料が完全蒸発かつ酸化できていることが分かった。このことから大量生成したナノ粒子の質についても一定程度のものが得られていることを確認できた。 2. Ar-O2-Ti 混合SMC-MPにおけるTiOスペクトル時間変化 原料Ti粉末をAr-O2プラズマに投入した際,それが蒸発することでTi原子が生じる。Ti原子は酸素と結合し,TiOなどの前駆体が生じる。この過程を検討するためにTi原子スペクトルとTiOスペクトルを分光装置で測定した。またプラズマからのAr原子スペクトル,O原子スペクトルを同時に測定し,プラズマの変調と原料の蒸発,TiOの生成のタイミングを検討できた。 3. 気相TiOスペクトルの総合放射係数の理論計算 各条件で生成したプラズマのTiOスペクトルを測定し,理論的に計算したスペクトルを合致させることで振動温度,回転温度を計算した。これにより時間的に変動するTiOの温度変化が判明し,プラズマの変調に従って上下することが分かった。 4. まとめ スマート制御高熱流メゾプラズマによるナノ粒子の高速生成の可能性結果をまとめた。
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