研究課題
本研究の目的は、窒化物半導体超薄膜“1分子層”InNの特徴を活用した新規光素子の基盤科学技術開拓であった。平成26年度は最終年度であるため、これまでの集大成として、高In組成(> 20 %)InGaN太陽電池に向けた課題解決のために「格子緩和InGaN上InN/GaN短周期超格子の実効In組成増大」と「接合リーク源の自己終端化プロセス」の検討を行った。1. MBE成長InGaN窒化物太陽電池での実効In組成増大(20-30 %):“1分子層”InNを素構造とする太陽電池光吸収層に関して、格子歪マネージメントの観点から、GaN上よりも格子緩和InGaN上成長とした方が、“1分子層”InN/GaN短周期超格子の実効In組成の増大化が期待できる。これにより、“1分子層”InN/3分子層GaN短周期超格子が、設計通りの実効In組成=21 %を示すことができた。また、実効In組成29 %のInGaN/pn-GaN太陽電池では、波長530 nmまでの応答が実証され、AM-1.5変換効率向上の見通しが得られた。2. 接合リーク源/欠陥の自己終端・修復化ナノパッチプロセス:窒化物太陽電池の巨大な接合漏れ電流の起源は、貫通転位に限定されない成長プロセス誘起の欠陥群だと判断される。この終端化に、“1分子層”InN自己組織化プロセスを高度化させたin-situ欠陥終端ナノパッチを発案し、ワイドギャップ酸窒化物ナノパッチ形成プロセスを検討した。MBE成長pn-GaN表面のAlOx超薄膜欠陥終端パッチによって、開放端電圧は1.46Vから2.05Vへ大幅に向上され、窒化物太陽電池実現へのブレークスルー直前まで迫る進展が得られた。研究期間4年間を通じて、“1分子層”InNを基盤とした短周期超格子光吸収層や欠陥終端化への基盤技術の展開までもが図られ、当初計画を越える高い達成度を得ることができた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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