研究課題/領域番号 |
23246063
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤田 淳一 筑波大学, 数理物質系, 教授 (10361320)
|
研究分担者 |
村上 勝久 筑波大学, 数理物質系, 助教 (20403123)
山田 洋一 筑波大学, 数理物質系, 講師 (20435598)
白木 賢太郎 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90334797)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | アミロイド / グラフェンナノリボン / ガリウム / 蒸気 / FET / 電子散乱 |
研究概要 |
最終年度であるH25年度では、(1)アミロイド繊維の合成形態、特に太さと長さの制御性を極限まで向上させること、また(2)アミロイド由来の炭素テンプレートを確実にGNR化させ、(3)GNR-FETチャネルの電子伝導特性を解明することを目的に研究を推進した。 (1)アミロイド繊維の形態制御について、ニワトリ卵白リゾチームをpH1程度の酸性かつ800℃の高温環境に24時間程度のインキュベーションを行うことで数ナノメートルから数十ナノメートルの幅を持つアミロイド線維の合成技術を確立することができた。 (2)本研究で当初に提案した液体Gaと固体炭素との固液界面でのグラファイト化反応で高品位GNRを得るためには1000℃の高温合成が必要である。しかし、この合成温度ではGa中へのGNRの溶解と拡散が支配的となってしまう事が判明した。そこで新たに、Ga液滴でアミロイドを被覆する替わりに、Ga蒸気によるアミロイド繊維のGNR化を開発し、電気特性評価に耐える高品位GNRを合成技術を開発した。1000℃におけるGa蒸気圧は約10mTorrであり、炭素表面での吸着脱離過程を経て、元の線維形状を極めて良く保ったままアミロイドGNRが合成できることを見いだした。 (3)作成したGNRに電子ビームリソグラフィによるリフトオフプロセスを用いて櫛形のTi/Au電極アレーを作製し、イオン液体(BmimPF6)を用いた電気化学的ゲートバイアスによってFET特性の評価を行った。櫛形電極の本数は100本、平均的なアミロイドGNRの電極間の本数は数本~の100本程度である。GNR-FETのコンダクタンスは850℃では極めて低く、数ナノS程度であるが、ゲート電圧に依存して明確にディラック点が出現し、素子のコンダクタンス変調率γは400%と最大値を示す。一方で、GNRの電子移動度は合成温度の上昇とともに増大し、1000℃で合成したGNRの電子移動度μは1.24 ×10-2 cm2/Vsとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|