研究課題
平成24年度は、原子間力顕微鏡に500nm径の開口を設けたカンチレバーのチップを使い、この開口部に波長780nmのフェムト秒レーザーを照射することにより、カンチレバーチップ先端から近接場光を発生させ、この近接場光を低温成長GaAs基板上に作成したボウタイ型光伝導アンテナ素子に照射することによりテラヘルツパルスの発生に成功していた。しかしながら、信号の検出強度が弱くこのテラヘルツパルスを使った近接場光励起のテラヘルツイメージの観察には成功していなかった。平成25年度は、テラヘルツを効率よく検出できるよう構築したシステムの光学系の更なる最適化を図るとともに、テラヘルツ検出素子の感度向上化を図ることにより、このテラヘルツパルスを使ってテラヘルツイメージの観察に成功した。この観測されたテラヘルツイメージにおいて、空間分解能として約600nm以下の達成に成功してる。テラヘルツ検出素子の感度の向上化に関しては、この近接場光励起で発生するテラヘルツ電磁波パルスの周波数成分は0.5THz以下の低周波成分が主であり、イメージングの際の信号/ノイズ比を改善するためには、この低周波数領域において高感度な特性を有する光伝導アンテナを開発することが重要である。このため、本研究では、低温成長GaAS基板上にアンテナ幅500μmのダイポール型光伝導アンテナ素子を作成してテラヘルツ検出器として用いることにより、0.3~0.8THzの周波数領域において、最大2倍以上の検出感度を有するテラヘルツ検出素子の作成に成功した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Physics D
巻: 未定 ページ: 未定