研究課題/領域番号 |
23246075
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
櫛引 淳一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (50108578)
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研究分担者 |
荒川 元孝 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00333865)
大橋 雄二 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50396462)
橋本 研也 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90134353)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 超精密超音波計測 / ワイドバンドギャップ半導体 / 超音波マイクロスペクトロスコピー / 材料定数 / 欠陥評価技術 |
研究概要 |
六方晶系に属するAlN、ZnO、SiC、GaNなどのワイドバンドギャップ半導体は、圧電性とともにSiに比べて3~5倍大きいエネルギーバンドギャップを有しており、発光デバイスや大容量パワーデバイス等の将来の環境に優しい小型で高効率なエコデバイスとして期待されている。より高効率・長寿命なデバイスを実現する上で、デバイスの構成要素である膜の高品質化・高均質化とともにホモエピタキシャル膜を作製するための高均質バルク単結晶基板が不可欠であり、それには高精度な評価技術が重要となる。そこで本研究では、超音波マイクロスペクトロスコピー(UMS)技術による新しい半導体材料評価法の確立を目的として、上記バルク単結晶及びホモ/ヘテロエピタキシャル膜の化学的・物理的・電気的・光学的諸特性を音響特性(漏洩弾性表面波およびバルク波(縦波、横波)の位相速度と減衰)から間接的に高精度に評価する手法を開発する。 本年度は、UMS技術による薄膜評価のための基礎となる残留応力の評価法検討について、最も簡単なモデル構築のために等方性であるシリカ系ガラスを用いて、熱膨張率の異なる基板を準備しSiO2膜を成膜した試料を作製し、音響特性評価を行った。また、超高周波バルク波伝搬特性計測システムの開発に向けた、高周波トランスジューサ用AlN薄膜作製のための成膜装置の立ち上げ・調整を行い成膜環境を整えた。また、ScをドープしたAlN膜試料について、漏洩弾性表面波速度分布測定およびX線回折による格子状態の観察から膜厚分布や格子面方位分布について評価し、音響特性と成膜条件との関連性について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である5項目のうち、評価の基礎となるバルク単結晶の評価法の検討と、薄膜の残留応力評価の基礎検討用試料の作製やドーパントのあるAlN膜評価についての基礎検討、高周波バルク波伝搬特性計測システムの開発に関する準備が進展したことから、全体の2/3程度は進展しており、3年計画の2年目の成果としては十分で、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、立ち上げた成膜装置を用いてAlN膜をはじめとして高周波計測用の薄膜作製(2 GHz~20 GHz)と評価を進める。また、ガラス材料で行った薄膜の残留応力の検討を基礎にして、単結晶基板上のエピタキシャル膜(ホモ/ヘテロ)についても、試料作製と上記高周波計測装置による広帯域音響特性測定による評価法の検討を進める。
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