研究課題/領域番号 |
23246082
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
山口 宏樹 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50134474)
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研究分担者 |
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90322023)
奥井 義昭 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40214051)
浅本 晋吾 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50436333)
睦好 宏史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60134334)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 構造工学・地震工学 / 土木材料 / モニタリング / 振動減衰 / 橋梁健全度評価 / 腐食 / 減衰解析 |
研究概要 |
鋼部材,コンクリート部材,その接合部での損傷がもたらす局所的付加減衰とそのメカニズムを解明すること,供用時振動計測・減衰変化モニタリングに基づき橋梁の構造健全度を評価する実測・解析ハイブリッド方法を確立することを目的とした.平成25年度の研究概要と研究成果は以下のとおりである. 1.常温下と低温下における高減衰ゴム支承の繰り返し載荷実験を行い,低温下では自己発熱による内部温度上昇が力学的挙動を決定することを明らかにするとともに,等価剛性、等価減衰等の温度依存性を定量化した. 2.RC供試体に対する段階的な電食試験と打撃試験を実施した結果,局所的に腐食を促進した供試体において,鉄筋腐食に伴う内部ひび割れによるものと推察される固有振動数低下と減衰増加が認められた.また,腐食の進行が軽微な段階での減衰は粘性減衰的であったが,ある程度以上腐食が進行すると減衰の振幅依存性が大きくなり摩擦減衰的な特性を示した. 3.複数の単径間プレテンションPC単純T桁橋を対象に,車両走行による振動の計測を実施した.車両の種類や速度,位置などにより,同定される振動特性にばらつきが認められたが,一定以上の振幅を持つ波形のみを用い,同定システム次数を波形に応じて設定することにより,簡易な計測でもばらつきの小さい同定結果が得られることを示した.また,モードによっては異なる橋梁間でも減衰定数は同程度であった.さらに,綱トラス橋を対象に,エネルギー的減衰理論を実験モード解析と組み合わせ,減衰の各種メカニズムを考慮した減衰変化同定の精緻化の検討を進め,その成果を論文として国際学術誌に投稿した. 4.送電線のガスト風下での風速・振動計測データを基として各種解析を行い,その発生メカニズムを多角的に検討した.これにより,実測とmodel updating解析の併用による構造評価法の検討が進んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
24年度中に実施できなかった実橋の供用時振動計測を行ってモード減衰データを得たことを含め,25年度に計画していた研究は着実に進展している.しかし,減衰メカニズムの解明やモード減衰変化に基づく健全度評価法の実橋検証など,難しい課題の研究目的の達成はやや遅れている..
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初予定通りに研究を推進していく方針であるが,最終年度ということもあって,研究の進捗状況に照らして研究計画の多少の軌道修正を行い,一定程度の纏まりのある研究成果とすべく研究を遂行していく.
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