研究課題/領域番号 |
23246086
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
風間 基樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20261597)
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研究分担者 |
森田 年一 福島工業高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (10353236)
山口 晶 東北学院大学, 工学部, 准教授 (30337191)
飛田 善雄 東北学院大学, 工学部, 教授 (40124606)
中村 晋 日本大学, 工学部, 教授 (40307806)
渦岡 良介 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40333306)
仙頭 紀明 日本大学, 工学部, 准教授 (40333835)
豊田 浩史 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90272864)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 液状化 / 流動性 / 変形特性 / 細粒分 |
研究概要 |
液状化した後の土の残留変形特性やその後の流動性について以下の成果を得た。 1)現状の液状化強度の決定法である一定応力振幅の非排水繰返しせん断試験に変えて,液状化してからの材料の粘りや変形特性を調べる新しい試験法を提案した。この方法は、現状の一定応力振幅繰返し試験の後に、ひずみ振幅一定試験、単調載荷試験、排水試験を行うもので、直接的にその地盤材料の液状化後の変形ポテンシャルを評価することができるスキームである。これによって、液状化後にカタストロフィックに壊れる脆性的な破壊とある程度の変形で止まる材料の区別が明確になる。この成果は、国際ジャーナル誌に投稿中である。 2)地盤材料の液状化後の流動性に大きく関係する細粒分の質と量について系統的に検討を行った。まず、6種類ほどの細粒分をそれぞれ異なる割合で含む土質材料の圧縮性を系統的に調べ、細粒分を含む土の圧縮性が何に支配されるかを検討した。実験では、機械式の最小密度試験機を開発し、拘束圧をかけた状態や水浸状態で圧縮性を調べた。その結果、細粒分の質と量および圧密応力によって初期の余裕間隙(せん断によって収縮できる体積変化量)が異なるが、この値が0.2以上になるとカタストロフィックな破壊が起こりやすくなることが見出された。また、要素試験によって、礫の混入やこれらの結果も、国際ジャーナルに投稿予定である。 3)地盤材料の流動性を試験するための回転式の装置を用いて、系統的な実験を開始し、結果を取りまとめ中である。 4)数値解析モデルによる液状化後の変形特性・流動性のモデル化については、原位置試験シミュレーションによる材料パラメータの設定、弾塑性モデルの改良、粒子法によるシミュレーションを実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
液状化した土の変形特性評価(要素試験)については、高い初期拘束圧下での液状化後の変形特性試験が残っているが、他の予定した研究内容はほぼ順調で成果も出ている。 液状化した土の流動性評価についても、振動台を用いた流動性を示す土のベーンせん断試験、回転式土砂流動性試験装置を用いた評価が実施されており、取りまとめの段階に入っている。なお、全周型遠心振動実験装置を用いた流動破壊実験は、同装置の稼動運転がずれ込んでいるため、代替として通常の遠心力振動実験を行っている。 液状化した土のモデル化については、要素試験や遠心実験結果を提供し、鋭意進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、研究の最終年度であるため、研究成果の報告を踏まえて、取りまとめ、成果発表に重点を置いて進める予定である。
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