気候変動に伴う沿岸外力環境の将来変化予測，影響評価および適応策に関する研究

2013 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 23246090
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 間瀬 肇 京都大学, 防災研究所, 教授 (30127138)
• 研究分担者: 黒岩 正光 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10225279) ; 奥 勇一郎 大阪市立環境科学研究所, その他部局等, 研究員 (10456832) ; 渡部 靖憲 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20292055) ; 河合 弘泰 独立行政法人港湾空港技術研究所, その他部局等, その他 (40371752) ; 野口 賢二 国土技術政策総合研究所, その他部局等, その他 (50469863) ; 山田 文彦 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60264280) ; 橋本 典明 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90371749)
• 研究期間 (年度): 2011-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 気候変動 / 国土保全 / 海岸工学 / 海洋科学 / 自然現象観測・予測

研究概要

（１）気候変動モデルの翻訳：　CMIP5から抽出した台風のマクロ情報をもとに，将来気候に対応した確率情報を作成し，確率台風モデルを用いて将来条件における台風計算を行った．得られた結果を解析し，将来気候における上陸数や強さなどの台風特性の変化について不確定性を考慮しつつ分析した．
（２）沿岸外力評価：　確率台風モデルの結果をもとに，高潮偏差の将来変化について計算を行った．全球の海上風速，海面更正気圧や海水面温度の空間分布の固有値から統計的に波高の将来変化を推定する方法を開発した．
（３）沿岸環境の将来変化予測：　高潮：温暖化シナリオ下における熱帯低気圧と高潮の変化について検討した．力学的可能最大台風を用いた検討も行い，両者を比較することにより，定量的かつ予測のゆらぎと誤差を考慮した将来の高潮偏差の変化を評価した．
構造物の耐波評価：沿岸外力の変化予測を用い，信頼性設計法を用いて，今世紀末までの構造物の安定性と越波特性についての影響評価を行った．この際に，感度分析を用いて，どの沿岸外力変化が重要であるか判定を行った．
海浜・干潟地形変化：茨城県波崎海岸，鳥取海岸，北海道の2地点および八代海の干潟をターゲットに，その将来変化の可能性について計算を実施した．

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画に従い，順調に進んでいる．

今後の研究の推進方策

計画通り進め，最終年度として取りまとめを行う．

研究成果

• [雑誌論文] Evaluation of future storm surge risk in East Asia based on state-of-the-art climate change projection (2014)
  • 著者名/発表者名: Yasuda, T., S. Nakajo, S. Kim, H. Mase, N. Mori and K. Horsburgh
  • 雑誌名: Coastal Engineering 巻: 83 ページ: 65-71
  • DOI: doi: 10.1016/j.coastaleng.2013.10.003
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Ocean waves and teleconnection patterns in the Northern Hemisphere (2013)
  • 著者名/発表者名: Shimura T., N. Mori and H. Mase
  • 雑誌名: Journal of Climate 巻: 26 ページ: 8654-8670
  • DOI: 10.1175/JCLI-D-12-00397.1
  • 査読あり
• [雑誌論文] Multi-model climate projections of ocean surface variables under different climate scenarios, Future change of waves, sea level and wind (2013)
  • 著者名/発表者名: Mori, N., T. Shimura, T. Yasuda and H. Mase
  • 雑誌名: Ocean Engineering 巻: 71 ページ: 122-129
  • DOI: 10.1016/j.oceaneng.2013.02.016
  • 査読あり
• [雑誌論文] Stability analysis of composite breakwater with wave-dissipating blocks considering increase in sea levels, surges and waves due to climate change (2013)
  • 著者名/発表者名: Mase, H., D. Tsujio, T. Yasuda and N.Mori
  • 雑誌名: Ocean Engineering 巻: 71 ページ: 58-65
  • DOI: 10.1016/j.oceaneng.2012.12.037
  • 査読あり
• [雑誌論文] Regional projection of future extreme wave heights around Korean peninsula (2013)
  • 著者名/発表者名: Suh, K.D., D.U. Lim and N. Mori
  • 雑誌名: Ocean Science Journal 巻: Vol.48, No.3 ページ: 439-453
  • DOI: 10.1007/s12601-013-0037-7
  • 査読あり
• [雑誌論文] Estimation of a possible maximum flood event in the Tone River basin, Japan caused by a tropical cyclone (2013)
  • 著者名/発表者名: shikawa, H., Oku, Y., Kim, S., Takemi, T. and Yoshino, J
  • 雑誌名: Hydrological Processes 巻: Volume 27, Issue 23 ページ: 3292-3300.
  • DOI: doi:10.1002/hyp.9830
  • 査読あり
• [雑誌論文] 地球温暖化による沿岸外力変化を考慮した防波堤の滑動量解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 辻尾大樹・間瀬 肇・森 信人
  • 雑誌名: 土木学会論文集B3（海洋開発） 巻: Vol. 69 (2013) No. 1 ページ: 1-11
  • 査読あり
• [雑誌論文] 確率台風モデルと観測台風資料を組み合わせた高潮イベントアトリビューション (2013)
  • 著者名/発表者名: 中條壮大, 金 洙列, 森 信人, 安田誠宏, 間瀬 肇, 山田文彦
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2(海岸工学) 巻: Vol. 69 (2013) No. 2 ページ: I_366-I_370
  • 査読あり
• [雑誌論文] 非静力学領域気候モデルによる気候変動予測結果を用いた日本沿岸における高潮の将来変化予測 (2013)
  • 著者名/発表者名: 安田誠宏, 片平成明, 森 信人, 澁谷容子, 間瀬 肇
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2(海岸工学) 巻: Vol. 69 (2013) No. 2 ページ: I_1261-I_1265
  • 査読あり
• [雑誌論文] 海面水温アンサンブル実験に基づく波浪の将来変化傾向とその不確実性評価 (2013)
  • 著者名/発表者名: 志村智也, 森 信人, 安田誠宏, 間瀬 肇
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2(海岸工学) 巻: Vol. 69 (2013) No. 2 ページ: I_1266-I_1270
  • 査読あり
• [雑誌論文] 海洋波浪結合モデルを用いた瀬戸内海の長短期物理環境場の再現計算 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中悠祐・森信人・二宮順一・杉松宏一・八木宏・安田誠宏・間瀬肇
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2(海岸工学) 巻: Vol. 69 (2013) No. 2 ページ: I_1341-I_1345
  • 査読あり
• [雑誌論文] 中緯度の気象解析に対する WRF のパフォーマンス解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 金 洙列・松浦智典・松見吉晴・玉井和久・安田誠宏・Tracey H. Tom・間瀬 肇（
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2(海岸工学) 巻: Vol. 69 (2013) No. 2 ページ: I_516-I_520
  • 査読あり
• [雑誌論文] ューラルネットワークを用いたりアルタイム高潮予測における 学習パラメータの感度分析に関する研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 金 洙列・塩崎信一・松見吉晴・玉井和久・福岡宏人
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2(海岸工学) 巻: Vol. 69 (2013) No. 2 ページ: I_246-I_250
  • 査読あり
• [備考] 京都大学 防災研究所 沿岸災害研究分野
  • URL: http://www.coast.dpri.kyoto-u.ac.jp/japanese/