研究課題/領域番号 |
23246093
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 大 京都大学, 工学研究科, 教授 (30180251)
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研究分担者 |
波床 正敏 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60278570)
松中 亮治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70303849)
大庭 哲治 京都大学, 工学研究科, 助教 (80464197)
村尾 俊道 京都大学, 工学研究科, 講師 (40598843)
鈴木 義康 京都大学, 工学研究科, 講師 (80537837)
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キーワード | 公共交通 / 交通整備・運営手法 / 財源 / 国際比較 / 便益・費用構造 |
研究概要 |
1公共交通整備制度の近年の変遷の国際比較 新たな整備や利便性向上が進まない公共交通の現状について、その問題が発生する要因を近年各国で展開されている理念的概念を整理することによって明らかにした。また,わが国の近年における公共交通の整備・利便性向上の過程を各国と比較することによって、その状況を明らかにした。さらに,新しい公共交通施策の事例を収集し国際比較を行った。 2公共交通整備財源の国際比較 公共交通整備の財源は、交通事業者による財源のほか、国の財源・地方自治体の財源、交通事業者以外の民間の財源、一般市民による寄付・協力金もしくは投資等による資金など、多岐にわたっている。実際の事業は、これらの組み合わせによって実施されており、そういった財源の内容を整理し、国際間で比較できる形で財源構造を明らかにした。また,各国の一般財源における公共交通財源の占める割合など、公共交通整備が社会資本整備としてどの程度重視されているかを各国の予算データ等から明らかにした。さらに,わが国の公共交通整備財源は大変貧弱であることを実際のデータを用いた詳細な分析によって明らかにした。 3国土政策・都市圏政策としての公共交通の役割に関する比較分析 公共交通が社会にとっての価値によって評価されていることを示すための基礎的な分析を行った。また,公共交通の便益は一般に地域社会に対してもたらされるものであり、地域が一定の負担をすることによって利便性を高め、より大きな便益を享受できるようにする方策が考えられる。フランスにおける鉄道の地域圏化などはその一例であり、このような方策が多くの国で行われるなどすでに定着の方向にあることを、各国・各都市の資料から明らかにした。またこれらと並行して、自治体・市民参画型の公共交通スキームについて、実際の鉄道・バス事業を活用して実践的検証を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度は研究に必要な資料等を収集し、基礎を固めながら一定の成果を出すことが目的であったが、すでに現地調査を実施し、2年度目以降において実施する実証的検証の準備にも入っている。また、実証実験に不可欠な乗降カウンターの制作にも着手しており、準備は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、実証的検証を行うことによって、新たな可能性を実証することが特徴の一つであり、実証実験に用いる計測システムの開発を含めて、目的達成に向けて研究を進める予定。
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