研究課題
硝化プロセスDHSと脱窒プロセスUSBを組み合わせ、浸出水の生物処理に適用することで、低コストで維持管理が容易なシステムの連続運転処理を行う際に生物学的な金属除去特性を行うため、浸出水にニッケルを添加し、徐々に馴致させることでその群集構造の変遷を追い、有用微生物、ニッケル耐性微生物の探索を行った。パイロシーケンサーを用いたアンプリコンシーケンシングの結果、ニッケル濃度の変遷に伴い、微生物群集が変化していった。また、幾つかのニッケル耐性株を分離・培養することができた。また浸出水処理汚泥の群集構造解析においては、硝化細菌群の他、未培養微生物群であるTM7やOD1に属するクローンが多く得られ、これらが浸出水処理に何らかの貢献をしている可能性が示唆された。そこで、それらの分離培養を試みたところ、純粋ではない培養系においてTM7を標的としたFISHプローブにより蛍光が得られたが、純粋培養には至っていない。。生物学的金属除去プロセス開発のため、細胞表層提示技術による金属回収・除去技術について検討を行った。金属吸着タンパク質としてモリブデン酸塩を二量体で捕捉するModEタンパク質を、大腸菌の細胞表層に提示させる事を試みたが、免疫染色の結果、あまり細胞表層に提示されていない可能性が示唆されたため、酵母細胞の表層に提示させる事に切り替えた。免疫染色の結果、発現していると思われる細胞の割合は2-3割と低かったが、モリブデン酸塩を野生株よりも吸着している可能性を示す結果が得られた。しかしながら非常に多くの菌体が必要になるなどの問題があり、今後は発現効率を上げるなどの改善が必要である。またDHS-USB処理水へのこのような生物学的金属除去プロセスの適用についても検討が必要である。
2: おおむね順調に進展している
浸出水処理実験および金属類の生物学的除去実験について、次に繋がる結果が得られている。
引き続き異なる廃水種について研究を行い、その微生物群集構造などを解明しながら、プロセス開発を行っていく。
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