研究課題
高塩分・アンモニア性窒素含有廃水の処理における、亜硝酸の生成におよぼす塩分の影響を評価した。塩分を塩化ナトリウム(NaCl)により0~25 g-Cl/Lの間で制御したアンモニア性窒素(100 mg-N/L)含有廃水を処理したところ、塩分の増加に伴う亜硝酸型硝化の進行が確認された。すなわち、塩分25 g-Cl/L時では、流出水全窒素濃度の87 %以上が亜硝酸性窒素まで変換されることを確認した。亜硝酸酸化細菌は、塩分無添加時にはNitrospira sublineage Iが優占していたが、塩分増加後には、かわりにNitrobacter属が優占化するなど、DHS内の硝化細菌群の菌叢に劇的な変化がみられた。また、埋立地浸出水処理リアクターに存在するTM7系統群に属する微生物群の分離培養を試み、TM7に特異的と報告されているPCRプライマーを用いたスクリーニングを行ったが、プライマーに依存する非特異的なPCR増幅を抑えることが出来ず、この系統群に属する微生物を分離培養することはできなかった。一方、Rhodospirilaceae科に属する属レベルで新規な微生物群の分離培養に成功した。分離株は再近縁株に対し16S rRNA遺伝子配列の相同性で89%程度で、塩濃度が低い環境下の方が増殖は早いが、高い塩分濃度環境下においても増殖し、高塩濃度環境下でも何らかの物質分解に関わっていると考えられる。今後、生理学的な特徴を詳細に調べていくことで、処理システムへの貢献などについても明らかにすることが出来ると考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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