研究課題
平成26年度は,本研究課題の最終年度となるので,年度の前半で今までの実験データを補足するための実験を行い,年度の後半で座屈と破壊の連成を考慮した鋼構造建築物の地震応答解析を行った。これらを総合して,座屈と破壊の連成を考慮した耐震設計の技術提案を行った。補足実験は,鋼管柱がH形梁と接合される仕口部分に生じる鋼管柱の局部変形と延性破壊の再現実験を行った。そこでは,鋼管を冷間成形ままのものと熱処理を施したもの2種類の材質で実験し,座屈と破壊の連成現象の違いを観察するとともに,前年度までに構築された連成現象評価のスキームを再確認した。地震応答解析は,座屈と破壊の連成現象がもっともクリティカルになる鋼管柱に連成現象評価スキームを組み込んで地震応答解析を行い,従来型の耐震設計,すなわち座屈あるいは破壊のみを単独で評価する場合と比べて,どの程度,塑性変形能力の指標となる構造特性係数(いわゆるDs値)に差が生じるかを定量化した。このとき,座屈には鋼管柱の幅厚比が関与すること,破壊には鋼管材料自体がもつ延性が関与するので,これらを変数としたシミュレーションを行った。以上で得られた知見を総合して,本研究テーマの結論を整理した。ただし,座屈と破壊の連成問題が関わる構造設計領域は広いので,残された課題についても整理した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
Journal of Structural Engineering, ASCE
巻: 140(5) ページ: 1-12
巻: 140(7) ページ: 1-13