研究課題/領域番号 |
23246108
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
高村 雅彦 法政大学, デザイン工学部, 教授 (80343614)
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研究分担者 |
大田 省一 京都工芸繊維大学, 文化遺産教育研究センター, 准教授 (60343117)
青井 哲人 明治大学, 理工学部, 准教授 (20278857)
木下 光 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (90288796)
恩田 重直 法政大学, 政策創造研究科, 准教授 (80511295)
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キーワード | アジア / 都市住宅 / 類型 / 建築史 / 都市史 |
研究概要 |
アジアの都市再生が注目されるいま、都市住宅の価値づけこそが21世紀前半の主題となっている。そこで、本研究では東東南アジアの沿海部を対象として、それぞれの地域に特徴的な都市住宅の形成過程を空間論および社会論的に認識・把握しながら、都市史をベースにした新たな建築史研究のための方法論を一段と拡大・精緻化し、現代都市における歴史的住宅の再生と創造に向けての諸課題や論点を抽出することが目的である。 初年度となる平成23年度、高村雅彦は上海の近代街区と里弄の形成過程、大田省一はハノイの街区と町家の構造、青井哲人は台湾の三合院の近代化類型、木下光は沖縄住宅の工法の近代化、恩田重直は雷州の住宅の空間構造について、それぞれ実測を含めた現地の調査研究をおこなった。 初年度テーマの「1.伝統的な都市住宅の形成過程とその諸類型」にあって、A.華北の都市住宅の類型に関する整理、B.華南の都市住宅の類型抽出のための総合的研究、C.東南アジアの都市住宅に関わる調査研究と類型のための作業があげられたが、Aを除いて必要な資料収集と現地調査を実施できたことになる。 そうしたなかで、2012年2月の全体研究会(熱海)では、従来の四合院や三合院、ショップハウス、総舗、筒屋、里弄、バンガロー・ベランダハウスなどといった周知の類型の明確な分類を目指すのではなく、個々の調査研究において、よりその成立過程の考察を深くし、それにより真のアジアの都市住宅を歴史的に把握できることを相互に確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全般的に予定通りの調査研究を当初の対象に対して実施することができた。しかしながら、華北についての考察を行うことができなかったことが今後の課題として残った。また、2回の合同の研究会を行ったが、より密な連絡を取り合いながら、頻繁に研究会を開くことの必要性を確認しあった。こうした問題点はあったものの、全体としてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、23年度に実施できなかった華北と東南アジア、とりわけ北京とバンコクに関する近代の街区形成と都市住宅について調査研究を行い、アジアの広範な都市住宅の類型把握に努めることを推進の重点課題とする。 また、計画通りに平成24年度には、海外、とりわけ上海の専門家を招へいし、国際シンポジウムを開催する。 こうして、推進方策自体に大きな変更はなく、計画通りに調査研究を行うものである。
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