研究課題
本年度は、最終年度として所期の目的を果たすべく精力的に実験を行った結果、以下の重要かつ斬新な結果を多数得ることができた。[1]準安定相1次元構造を持つ強誘電体Bi2SiO5に関して、強誘電性の評価、第1原理計算、フォノン構造の光学測定、透過電子顕微鏡観察を行い、本物質が変位型強誘電体であることを確認し論文として報告した。また、詳細な構造解析を行い、本物質の電気分極の起源であるイオンの変位が2つのブロックから生じており、それらは反平行に配置する反強誘電体であるが、反平行成分がキャンセルしないためフェリ的な強誘電性を示すことが明らかになった。また、本物質の強誘電性はSiO44面体のSi-Oボンドに不均化が生じることで発生する電気分極が起源であることが明らかになった。[2[非中心対称構造を有する準安定相AlFeO3相を薄膜法で単結晶薄膜を作製して磁性と強誘電性を調べた。本物質は強誘電臨界温度が1600 K、電気分極が25μC/cm2、強磁性(フェリ磁性)臨界温度が300 K付近に存在するマルチフェロイックであることが判明した。また、本物質の電気分極は主に4面体から生じていることも明らかになった。[3]単純酸化物で極性結晶として評価されているウルツァイト構造の分極を全く新しい見地から再評価し、本物質でもキャリアが入らなければ強誘電性の発現が期待できることを明らかにした。[4]熱電変換材料の設計上、重要なパラメータの1つである物質の熱伝導度を定量的に評価するため、6方晶BaTiO3単結晶の熱伝導度を2つの方向で測定・比較し、酸化物における熱伝導度の設計指針を得た。[5]量子臨界点近傍の変位型強誘電体の誘電性に関する全く新しい解釈を提案した。[6]強磁性体と強誘電体のヘテロ接合界面を利用した磁気ドメインの電気制御に成功した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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