研究課題/領域番号 |
23246131
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野平 俊之 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (00303876)
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キーワード | 太陽電池用シリコン / シリカ / 溶融塩電界 / 低リン / 低ホウ素 |
研究概要 |
1.高温(800-1000℃)溶融塩中におけるシリカ電解還元による低リン・低ホウ素シリコン製造法 1-1.高純度化 従来の電解方式および電解セル(内径約10cm、溶融塩量300ml、SiO2量数g)でのさらなる高純度化を追求した。安価に精製された高純度シリカ(B<0.05ppm,P<0.05ppm)とシリコンの混合粉末をペレット状に成型した後に電解還元する方法において、ペレットの準備方法(成型法、焼結法等)、溶融塩の高純度化(再結晶、予備電解、Ca添加等)、装置材料の最適化、電解条件の最適化等を検討した。還元前のシリカペレットおよび得られたシリコンの全元素微量分析をGD-MSにより行ったところ、ペレットの段階においてホウ素およびリンが増加していることが明らかとなった。また、電解還元後は、カルシウム、塩素、酸素、炭素の増加が観察され、溶融塩の除去不足、還元不足および対極からの炭素混入が行っていることが分かった。 1-2.プロセスの連続化 850℃において生成シリコンを粒状になるように工夫することで、溶融塩と生成シリコン粒からなるスラリーが形成可能であることが分かった。得られたシリコンの純度をGD-MSで分析したところ、従来の電解法と比較して純度は低いことが明らかとなった。 2.低温(200-400℃)溶融塩中におけるシリカ電解還元による高純度シリコン製造法 溶融LiCl-KCl-CaCl2を用いて、シリカ電解還元を検討した。還元電流は観測されたものの、電流値は高温系と比較して小さかった。電解還元生成物は、結晶性の低いシリコンであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高温溶融塩中における高純度化については、不純物混入経路が予定通り明らかになりつつある。また、ブロセスの連続化についても一つの方法について有効性が確認された。低温溶融塩系については、一部検討が遅れている項目もあるが、他の部部の進展によりカバーできている。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、申請時の計画を踏襲するが、微量不純物の分析方法については若干の見直しを予定している。GD-MSは、全元素微量分析が可能であるが、委託分析であるため必要日数が長く、また、ホウ素および炭素の感度はあまり高くない。従って、当研究室で所有しているICPによるスクリーニング分析を積極的に行うとともに、学内共同利用によるICP-MS分析も併用して行う予定である。
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