研究課題
ユニットが平面性ポリ酸および球状のポリ酸ユニットを合成系中で発生させ、水熱条件下でそれぞれ2次元平面ネットワーク構造、3次元立体ネットワーク構造を構築した。前者は構成元素として6族、5族4族の元素の組み合わせで可能となり、ナノレベルで5員環状の平面性ポリ酸ユニットのネットワーク化を達成し、対象元素を広げ合成を一般化した。HAADF-STEM法で構造を観察した。一方、3次元立体ネットワーク構造形成では、ε型ケギンユニットと金属酸素八面体リンカーが三次元的にネットワーク化した全く新しいゼオライト様の結晶物質の合成に成功し、構造の確定、対象元素の拡張、ミクロ細孔特性の解析を進めた。二酸化炭素やエタンに対する特異的な親和性を示した。さらに、まだ研究途上であるが、6員環状の平面性ポリ酸ユニットが1次元的に連結してユニットロッドを形成し、これが弱い相互作用でスタックした結晶が形成されることを見いだした。その他様々な新物質を見いだし、ユニットネットワーク法の有効性を確実なものにした。加えて、種結晶法によるユニットネットワーク合成法を展開し、従来ではできなかった濃度条件、元素条件などで物質合成が可能となった。特に顕著な例は、斜方晶Mo3VOxの合成でMoのみでも同じ構造体が合成できることを見いだしたことである。触媒機能形成では、様々な酸触媒反応にW系の酸化物が有効であることを見いだした。ミクロ細孔の触媒反応場としての有効性は、非対称性ユニットの導入で確立することを試みたが、非対称性ミクロ細孔場の構築は合成的には達成することはできなかった。しかしながら、対称性ミクロ細孔場を還元格子酸素を取り除くことでそれが可能であることを見いだし、実際、触媒物質と強く相互作用する場所(触媒反応部位)と分子の移動する場所(拡散部位)を同時に確保できるような構造環境が成立することを見いだした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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