研究課題/領域番号 |
23246144
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大林 茂 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80183028)
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研究分担者 |
斎藤 務 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00302224)
小林 秀昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30170343)
小川 俊広 東北大学, 流体科学研究所, 技術専門員 (30375133)
川添 博光 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40260591)
浅井 圭介 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40358669)
千葉 一永 北海道工業大学, 創生工学部, 准教授 (50450705)
永井 大樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70360724)
沼田 大樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20551534)
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研究期間 (年度) |
2011-05-31 – 2015-03-31
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キーワード | ソニックブーム / 超音速流れ / 地上実験 / 光学計測 / 最適化 |
研究概要 |
本研究では、ソニックブームを含めた超音速実験の設計・評価システムを構築し、超音速複葉翼理論に基づく低ソニックブーム超音速機形状の実用性を実証する。特に低ブーム性を地上実験により実証するため、流体科学研究所の共用設備である2段軽ガス銃実験設備を改修し、飛行姿勢の計測を行うとともに、2次元圧力計測システムを構築し、3次元複雑形状の自由飛行実験を可能にするソニックブーム地上実験装置を開発する。この目標に向けて、以下の研究実績を上げることができた。 ・非定常最適設計探査:理想的な3次元翼胴形状を決定するため、従来の形状定義に対してより自由度を高めたトポロジー最適化の考えを導入した最適化法を検討し、非定常応答の取り扱いについても継続して研究した。 ・ソニックブーム地上実験装置設計:流体科学研究所の共用設備である弾道飛行装置を利用して、昨年度構築した自由飛行する物体の姿勢計測システムに、物体から発生する近傍場圧力波形を物体全周で同時計測できるシステムを構築し、翼胴模型および低ソニックブーム形状の複雑な模型で実験を行い、多重極解析手法による実験結果解析と数値解析との比較により精度を検証した。 ・圧力波計測:感圧塗料(PSP)を用いたソニックブーム近傍場の新しい光学計測の研究を行い、現象把握に十分な計測時間精度での圧力測定に成功した。 ・風洞実験:風洞での力測定のため、更に高精度な力天秤の開発を行い。この天秤を導入する流体科学研究所で超音速風洞の整備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
・非定常最適設計探査:理想的な3次元翼胴形状を決定のためトポロジー最適化の考えを導入した最適化法を検討し、有用性を確認した。 ・ソニックブーム地上実験装置設計:弾道飛行装置を利用して、自由飛行する翼胴モデルなど複雑な形状物体から発生する近傍場圧力波形を物体全周で計測、多重極解析手法に適用できる高精度なシステムを構築した。平成24年度衝撃波シンポジウムにおいて、本研究に携わっている学生(宮腰康君)が「弾道飛行装置を用いた低ソニックブーム実証実験のための計測技術に関する研究」と題した発表でBest Presentation Awardを受賞、第51回飛行機シンポジウムにおいて、本研究に携わっている学生(齋藤雄太君)が「多重極解析手法の超音速自由飛行試験への適用」と題した発表で学生優秀講演賞を受賞し、本研究の成果が高い評価を受けている。 ・圧力波計測:感圧塗料(PSP)を用いてソニックブーム近傍場圧力計測に可能な超高速応答の感圧塗料の研究を行い、マイクロ秒オーダーの時間解像度での実験に成功した。 ・風洞実験:風洞での力測定のため、更に高精度な力天秤の開発ができた。
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今後の研究の推進方策 |
改修した2段軽ガス銃実験装置を利用した、非軸対称、複雑形状物体の自由飛行のための計測システムが構築できた。今後は計測システムのより高精度化と感圧塗料(PSP)を用いた近傍場圧力計測実験を行うとともに3次元複雑形状模型での実験、検証と、同モデルでの超音速風洞での力測定実験の実施にむけて準備を進めたい。
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