研究概要 |
ミリ波ビームのモード制御技術を実験的に検証するために、出力400mW、94GHzのミリ波発振器を購入した。また、その発振器の励起源と同期を取ったヘテロダイン受電装置の採用により、高感度でかつ位相分布も測ることのできるシステムを構築した。ミリ波の場合,ビーム径を導波管で変換するには共振モードを考慮した設計が必要で,テーパ角が小さくなくてはならず,かなり距離を要する.まずはコニカル変換器の長さを変えて、出口の2次元のビームエネルギー分布を測定する受電ホーンアンテナ2次元ステージを設計中である。 ミリ波放電のフィラメント構造の解明に関しては、ジャイロトロンから出力した高エネルギーのガウシアンビームを、共役ミラー系を用いてトップハット形状およびリング形状のプロファイルに変換し、放電の際に生じるフィラメント形状、電離面伝播速度、背面の淀み圧等を測定した結果、それぞれに特異なフィラメント形状が観測された。また、トップハット形状のビームは最も伝播速度が遅く、圧力上昇が大きかった。この原因は今後の研究で明らかにしてゆくが、ビームのモード制御がマイクロ波デトネーションで生じる圧力を増大させる効果があることが示された。 ミリ波放電モデルの構築と数値シミュレーションに関しては、まずは既存の電離モデルを用いてシミュレーションを行った結果、源となるプラズマが円弧状に分布した状態を初期条件とすると、実験で観測されたような放射状のフィラメント構造が形成されることが示された。ただし実験条件と同じ電界強度では、空気の電離まで至らず、今後は比較的低電界強度での電離モデルを構築する必要があることが分かった。
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