研究課題
ミリ波電磁ビームを用いた高エネルギー密度なワイヤレス伝送と,その航空宇宙応用の可能性を探求するための小型軽量な受電、エネルギー変換システムの開発を目的とし、以下の2つの課題について研究を行った.(1)提案している大電力ミリ波ワイヤレス伝送システムのミリ波伝搬特性を調査するため、400 mW出力の半導体ミリ波発振器を用いて受電後のミリ波電力密度プロファイルの詳細な計測を行った.試験では自由空間を発散することなく伝送させるため、ミリ波を放物ミラーによりビーム径150 mmのガウシアンビームに変換してテーパ型ミリ波受電器で再集光した.テーパ型ミリ波受電器は、入射したビームを径65 mmのデトネーション管に導けるよう、ビーム収束に最適な形状を設計した.本設計では、ミリ波の波長がテーパ管の小口径に比べ1/20と十分に短いこと利用した幾何光学近似を用いることで、軽量かつコンパクトな構造となっている.テーパ型ミリ波受電器で受電した電力密度プロファイルは、ビーム径、ビームの傾き角、偏光方向が計算と良い一致を示し、90%以上の高い電力捕獲・集光性能を示した.(2) ミリ波放電モデルの数値シミュレーションでは、放電フィラメントの配置やピッチ間隔など微細な構造に着目し、複数のフィラメントに入射したミリ波が反射することで形成される強電界強度によって放電が維持される効果を考慮しモデルの構築を行った.微細な電磁界を再現するためにFDTD法を高次精度化し計算コストを抑えながらフィラメントの存在する空間の詳細な電磁界を求めた.また空間に入射するミリ波による電子加熱の効果を電離モデルに組み込み、電子の平均自由行程の変化と空間の電磁界から電子の発生過程をモデル化した.この際に、フィラメントの進展速度が実験結果と合うように電離モデルにおける閾値電界強度を決定したが、普遍的な電離モデルを構築するには至らなかった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Optics
巻: 53 ページ: I16-I22
http://dx.doi.org/10.1364/AO.53.000I16
Frontier of Applied Plasma Technology
巻: 7 ページ: 7-12