研究課題
本年度は福岡県糸島市および秋田市におけるクロスフローの存在しない地盤においてクロスフローが存在する地盤と同様の熱交換量を得るための試験を実施した。それぞれの試験地では深度50m及び100mの試験井を掘削し,地表より注水を行いながらTRTを実施した。注水量は0L/minから20L/minまで変化させ,注水量が熱媒体温度の増加に与える影響について検討した。その結果,両坑井において5L/min程度までは温度上層が効果的に抑えられたがこれを超過した場合温度増加抑制効果は小さくなることがわかった。次に,実験地の地質条件に基づいて数値シミュレーションモデルを作成し,TRTの結果を用いてチューニングを行った。その結果,数値モデルは全TRTの結果を良好に再現することができた。そこで,同モデルを用いて注水量及び注水温度に関する感度計算を行い,最適な注水条件について検討した。その結果,5/minを超える過度の注水による改善効果は少なく水の調達コストを考慮すると1-5L/min程度の少量の注水が妥当であるとの結果を得た。また,注水温度はできるだけ地層温度に近いほうが熱交換量増進効果が大きいことがわかった。以上より注水を伴う地中熱交換井の導入は,地下水流れが存在しない地盤に設置した地中熱利用システムにおいて,熱交換井長さ削減効果を持ち同システムの採算性向上に貢献することがわかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proc. Stanford Geothermal Workshop 2014
巻: (paper No. SGP-TR-202)
Proc. 15th International Heat Transfer Conference
巻: なし
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日本地熱学会誌
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