研究課題/領域番号 |
23246162
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤澤 彰英 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (60222262)
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キーワード | プラズマ乱流 / 核融合学 / 帯状流 / 2次元ダイナミクス / トモグラフィ / X線シンチレータ / 蛍光ガラス / 多波長多チャンネル |
研究概要 |
プラズマ閉じ込めの研究はプラズマ乱流および構造形成の描像について変革の時を迎えている。プラズマの構造は、局所的な乱流によってのみ決まるのではなく、ミクロ・メソ・マクロの波長スケールの異なる揺らぎの結合により形成・維持されるという描像に至っている。しかしながら、現在のトロイダルプラズマの乱流実験、特に高温プラズマ領域では基本的に局所一点観測に留まっている。乱流プラズマの「第一原理実験法則」を得るためには、この2次元かつ動的描像を確かめプラズマ全域におよぶミクロからマクロまで全てのスケールの揺らぎの同時計測が必要である。プラズマ全域に渡る乱流の2次元ダイナミクスの観測こそが今後のプラズマ乱流の物理、更には核融合学の発展には不可欠であり、本研究において2次元乱流ダイナミクスの観測法を開発する。 従来のX線や紫外光の検出方法では、通常、ノイズ低減のためアンプを実装した検出器(1cm程度の大きさとなる)をプラズマに対向して並べる。そのため検出器系の大きさ自身の制約を受け数十の検出器を並べるのが限界である。一方可視光の検出はレンズと組み合わせたファイバー(1mm以下)を対向面に直接配列することで超多チャンネル化が可能である。ここで、多波長超多点検出システムにおいては、X線、紫外光の多チャンネル検出のために、X線および紫外光を可視光に変換した後、ファイバーにより伝送することを考える。これによってプラズマに対向する面に1mm間隔で検出器を配置することが可能となる。上記のような非可視光から可視光への変換を用いた超多チャンネル検出器の試作品を製作する。その基礎として、本年度はX線と紫外光の光変換部分の試作品(それぞれ40チャンネル程度)を作成した。X線はQUEST用、紫外光は直線プラズマ用である。また、直線プラズマ用の可視光の試作品も同様に製作した(40チャンネル程度)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の予定として、多波長超多チャンネルシステムの構成要素であるオプティカル・フィードスルー、光受光部(コリメータ)、アンプの試作が主目的であったが、それぞれの構成要素が一組ずつほぼ予定の通り順調に製作された。また、直線装置へ取り付けるための真空容器も作成され、来年度からの実験の準備が整っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、現在所有の試作品に加えてトモグラフィーを行うための検出器を増やし、直線プラズマにおいて紫外光、可視光に加え、赤外光のフィルターも準備し各波長領域においてデータを収集する。トモグラフィーを行うためのいくつかの方法の再構成アルゴリズムを作成、コード化し実際の実験データにおいて行う。 現在、特別な問題点はなし。計画の特別な変更もなし。
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