研究課題/領域番号 |
23246164
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
居田 克巳 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (00184599)
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研究分担者 |
門 信一郎 東京大学, 工学(系)研究科, 准教授 (10300732)
吉沼 幹朗 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (20323058)
大石 鉄太郎 名古屋大学, 工学(系)研究科, 助教 (80442523)
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キーワード | プラズマ物理 / 乱流計測 / ビーム分光 |
研究概要 |
本研究では、大型ヘリカル装置に径方向とポロイダル方向への指向性をもつビーム放射分光(beam emission spectroscopy)装置を取り付け、プラズマのメゾスケール乱流の二次元空間構造を明らかにすることを目的とする。 ビーム放射分光とはプラズマ中に入射された中性粒子ビームがプラズマ中のイオンと衝突して電子が励起され、その電子が下位順位に落ちるときに発する光(Hアルファ光)の時間変化から、プラズマイオン密度の揺動を計測しようとするものである。この光はビーム速度に対応したドップラーシフトを持つので、ドップラーシフトがほとんどないバックグランドのHアルファ光から、分光的手法で分離が可能である。 ビーム放射分光は、中性粒子ビームと視線との交点における局所のイオン密度揺動が計測できるという利点があるが、計測の空間分解能程度の波長(端数)より、大きなスケールの揺動しか計れない。ブラッグ反射を利用した揺動計測が小さいスケールの揺動、すなわちミクロスケール乱流を計測するのに向いているのに対し、ビーム放射分光はむしろ揺動のスケール長が大きいメゾスケール乱流の計測に向いている。ビーム放射分光システムは発光させる為の中性粒子ビーム、プラズマのポロイダル断面の像を取り込む為の二次元光ファイバー、揺動信号を取り込む為の検出器からなる。本年度は、ビーム放射分光システムの中心となるファイバーを購入し、プラズマの径方向1m、ポロイダル方向で15cm程度のプラズマのイメージを空間分解能約1cmで計測可能な光学系が整った。本研究では観測領域をスリット状にする。横スリット状の場合はポロイダル方向の波に対する感度が向上、縦スリット状の場合は径方向の波に対する感度を向上させる事ができる。このようにして、径方向又はポロイダル方向の「指向性」をあげることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビーム放射分光システムの中心となるファイバーを購入し、プラズマの径方向1m、ポロイダル方向で15cm程度のプラズマのイメージを空間分解能約1cmで計測可能な光学系が整った。
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今後の研究の推進方策 |
今後、揺動信号を取り込む為の検出器を購入して計測を開始する予定である。 研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点はない。
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