研究課題
本年度は大型ヘリカル装置(LHD)でビーム放射分光システムを使いプラズマの密度揺動のイメージ計測を行った。従来のビーム放射分光システムとは異なり、本研究では観測領域をスリット状にして、(横スリット状の場合:径方向の波に対する感度が減少、ポロイダル方向の波に対する感度が向上、縦スリット状の場合:ポロイダル方向の波に対する感度が減少、径方向の波に対する感度が向上する)径方向又はポロイダル方向の「指向性」をあげた密度揺動計測を行うことができた。ビーム放射分光システムは波長の短い乱流揺動の計測に用いられることが多いが、ヘリカルプラズマではそのヘリカル形状故に視線方向の積分効果が大きく短波長の密度揺動が観測できない。そこで、周波数を下げて長波長の密度揺動に焦点をしぼって計測を行った。本サイクルの高ベータプラズマ実験においてビームのオン・オフモジュレーションに伴い、ビーム放射光のみが正確に検出されているかを確かめた。ビーム入射のタイミングの信号を取り出して解析を行った。まずフーリエ解析を行ったところ、高周波数成分が計測限界以下になっている事が解った。次に、磁気プローブの信号をリファレンスとして、時空間相関を取った結果1.5kHzと3kHzの揺動に時空間相関が観測された。ポロイダル方向にはE×B回転に伴う揺動の伝搬が観測されているが、径方向には顕著な伝搬が観測されていない。また磁気プローブの振動と強い相関がある等の点から、この揺動は周辺高調波振動(Edge Harmonic Oscillation :EHO)である事が検証された。これらの結果をまとめ、Review of Scientific Instrumentsに論文を投稿した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)
Plasma Physics and Controlled Fusion
巻: 57 ページ: 044007
10.1088/0741-3335/57/4/044007
Nature Communications
巻: 6 ページ: 5816
10.1038/ncomms6816
Nuclear Fusion
巻: 55 ページ: 017001
巻: 55 ページ: 013022
10.1088/0029-5515/55/1/013022
巻: 57 ページ: 014036
10.1088/0741-3335/57/1/014036