研究課題
減数分裂は、有性生殖を行う真核生物にとってゲノムを子孫に継承するための普遍的で重要なプロセスである。減数分裂においては、体細胞分裂とは異なり、父母に由来する相同染色体の組換えが起こる。相同染色体の組換えは、その後に起こる染色体の正常な分離に必須の現象であるが、相同染色体がどのように相互を認識して対合するかについては未だわかっていない。本研究では、単細胞真核生物の分裂酵母を用いて、減数分裂特異的に形成されるクロマチン構造を解析する。特に、染色体上に形成されるnon-coding RNAとタンパク質の複合体に注目し、相同染色体が互いを認識する仕組みを解明することを目的とする。これまでに同定した sme2 遺伝子領域以外に、相同染色体の対合を促進する領域があるか検索を行った。そのような領域の候補として、減数分裂期に特異的に発現する non-coding RNAを選択し、これらの候補となるRNA遺伝子領域の近傍にlacO配列を挿入して、その染色体領域を蛍光染色した細胞株を約60株作成した。これらの細胞株で、相同染色体の対合頻度を生細胞で計測することにより、その領域がsme2遺伝子領域のように相同染色体の対合を促進するか調べたが、これまでのところ顕著な領域は見つかっていない。この実験を補完するために、GFP融合タンパク質ライブラリを利用したsme2 RNA共局在因子の網羅的解析を行った。GFP融合タンパク質のライブラリを検索すると、核内ドット状局在を示す核タンパク質が約200個ある。それらの候補タンパク質の減数分裂期の局在を検討し、減数分裂期前期にsme2遺伝子座に局在するものを検索した結果、共局在を示すタンパク質をいくつか同定した。これらのタンパク質をてがかりとして、タンパク質複合体を精製することが可能になった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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