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2011 年度 実績報告書

表現型可塑性:生態学と分子発生学の統合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23247004
研究種目

基盤研究(A)

研究機関北海道大学

研究代表者

西村 欣也  北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 准教授 (30222186)

研究分担者 岸田 治  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (00545626)
北野 潤  国立遺伝学研究所, 新分野創 造センター, 特任准教授 (80346105)
道前 洋史  北里大学, 薬学部, 助教 (70447069)
三浦 徹  北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (00332594)
キーワード表現型可塑性 / 表現型多型 / エゾサンショウウオ / トランスクリプトーム
研究概要

エゾサンショウウオ幼生の表現型可塑性の分子基盤を解明するためのトランスクリプトーム解析(遺伝子転写の経時的、組織毎の相違パターンの検出)に用いる生体組織サンプルを作成する飼育操作実験を行った。
4月から6月のエゾサンショウウオの産卵時期に、産卵地である融雪の冷水が注ぐ池で複数の卵を採集した。同時孵化をさせるために、卵は一旦実験室で7度の水温で保存し、実験開始時に17度の水温に移した。捕食者であるヤゴからの危険信号となる化学刺激を受ける処理と、餌となるエゾアカガエルのオタマジャクシを食する機会を与える処理、どちらもいない対象区の3つの処理で、それぞれサンショウウオ幼生を初期発生ステージから飼育した。ヤゴの捕食危機に曝された幼生は、尾高が高く、外鰓を発達させた形態が、オタマジャクシの捕食機会を得た幼生は顎を発達させた大口の頭でっかち形態が可塑的に誘導されることが知られている。それぞれの処理では対象区の型に比し、ヤゴの捕食危機に対する尾高の防御型、オタマジャクシを捕食機会に対する頭でっかちの捕食型が誘導された。
誘導処理実験の開始から0時間、12時間、7日の3つの誘導時間においいて上記の操作実験の各飼育タンクから数個体ずつを取り、外鰓、尾、頭部、頭部から分離した脳組織を採集し、RNAlaterで組織のRNA固定サンプルを作成した。これらのサンプルは次年度から開始する次世代シーケンサーによる、環境刺激に伴う経時的、組織毎のトランスクリプトーム解析に用いるために凍結保存した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の初年度であり、発生生物学班の分子発生学的研究の本格始動は翌年からの計画である。これまで生態学班はエゾサンショウウオ幼生の表現型可塑性に関する研究を積み重ねている。それらの知見と実験技術を用い、翌年からの分子発生学的研究のための組織サンプルの予備的採集に成功した。

今後の研究の推進方策

これらの組織サンプルからRNAを抽出し、抽出RANのクオリティーを確認する。その結果、クオリティーに問題があれば、本年度行った飼育操作実験を再び行う必要がある。問題がなければ、抽出RNAから配列決定のための規定の方法に基づきcDNAの作成・調整を行い、次世代シーケンサーのHiseq2000によって配列決定を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Preconditioned reaction norm of developmental phenotypic plasticity2011

    • 著者名/発表者名
      Nishimura, K.
    • 学会等名
      ヨーロッパ進化学会
    • 発表場所
      チュービンゲン大学 (ドイツ)
    • 年月日
      20110820-20110825

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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