母親微小管から娘微小管が生まれる際は、約40度の角度に枝分かれ様式で新生する場合と、母親と平行に娘微小管が新生する場合があるが、そのどちらの場合においても母親のプラス端に向かって大部分の娘微小管が重合すると報告されている。この報告では重合開始点の観察方法に問題があるため、新たに重合開始点をMORZART1-GFP、微小管をmCherry--tubulinで二重標識したアラビドプシス系統を作出した。我々の観察によると、枝分かれ重合では、99%の娘微小管が母親微小管のプラス端に向けて重合した。一方、平行様式の重合では、既報とは異なり、母親微小管のプラス端とは逆方向(マイナス端方向)に生まれる娘微小管が80%を占めた。また、重合開始複合体はカタニンによる切断が起こる前に母親微小管が消失した場合、娘微小管のマイナス端を追跡して移動する現象などを捉えることに成功した。 また、微小管重合複合体に付随する新規タンパク質(2種のホモログ)を同定し、酵母2ハイブリッド法によりこのタンパク質同士が相互作用し、重合複合体コアタンパク質であるGCP2及びGCP4と相互作用する可能性を示した。
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